花火大会

意味が分かると怖い話

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■本編

俺は昔、ちょっとしたことをして結構な額のお金を手に入れた。
そのおかげで、マンションの5階にある部屋を購入できたのだ。
 
夏になると部屋から花火がよく見えるため、時期になるとよく友達が集まってくる。
俺の部屋で花火を見ながら酒を飲んで、昔話をする。
これがなによりの楽しみだった。
 
今年も花火の時期がやってきた。
昔の友達が、酒を持って集まって来る。
 
俺たちはまだ夕方だったが、酒を飲み始めた。
花火が始まることには、良い感じで出来上がっていた。
 
そして、花火の始まりを告げる、一発の花火が上がる。
そこから、次々に花火が上がっていく。
 
「さてと、そろそろいくか」
 
友達の一人が立ち上がってそう言うと、みんなが「そうだな」と頷く。
 
友達が窓を開け、外に出て行く。
俺は家を出る前に、電気を消し、ドアにカギをかけるために玄関に向かう。
 
「お前も早く来いよ」
「ああ、すぐいく」
 
準備を終えて、俺は友達に続き、窓から外へ出た。
 
終わり。

■解説

語り部の家は5階にある。
いつも部屋から花火を見ているということは、ベランダなどもないと思われる。
それなのに、窓から外に出るとどうなるのか?
つまり、友達は部屋から外に出て、集団自殺したということになる。
多額のお金を手に入れた際に何かをして、そのことで自殺を決めたのかもしれない。

 

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