2023-06

意味が分かると怖い話

山岳信仰

俺は登山家である。 とはいっても、界隈では少し有名なくらいで一般の人で俺の名前を知ってるなんて人はほぼいないだろう。 エベレストみたいな超有名な高い山に登るというわけじゃなく、どちらかというと多くの山を登るタイプの登山家だ。 俺が好むのはあまり人が登らないようなマイナーな山。 そんな山あったの? なんて言われるような山に登るのが好きなのだ。
意味が分かると怖い話

アレルギー

その少年は健康が取り柄だった。 病気もしたことがなかったし、怪我をしてもすぐに治ってしまう。 もちろん、学校は皆勤賞を続けている。 そんな少年には怖いものがある。 それは流行り病。 いわゆるインフルエンザや水ぼうそう、感染症などだ。
意味が分かると怖い話

自分を傷つけるもの

男は何よりも死が怖かった。 危ないところには近づかないのはもちろん、健康も気にして徹底している。 極力、家も出ずに家の中で出来る限りの運動をしている。 食事にも気を配り、風水にまで手を伸ばしているほどだ。
意味が分かると怖い話

親友の男

私には小学校からの親友がいる。 高校までずっと同じ学校で、ほんどの日は一緒に登下校してるし、休みの日も結構頻繁に遊んでいる。 そんな彼女が好きな人ができたと相談してきた。 そいつはクラスでも人気の男子で、いわゆる、不良ってやつだ。 高校生くらいって不良が、結構モテたりする。 しかも、そういうやつはモテるもんだから、女をとっかえひっかえしたりする。
意味が分かると怖い話

鉛筆

美術の授業で鉛筆を使うことになった。 確かに絵を描くのにシャープペンは適してないと思う。 でもさ、いきなり鉛筆を使えって言われても困る。 どうやって使っていいかわからない。
意味が分かると怖い話

初恋の人

私の初恋は結構、遅かった。 中学1年生の時の同級生の男の子だった。 不良っぽい人で、よく問題を起こして、先生に怒られたりしてた。 あの頃の年の頃って不良が妙にモテてた記憶がある。 今思うとなんでなんだろうって不思議だけど、当時の私もやっぱり、その男の子が好きだった。 妙にぶっきらぼうで、乱暴な口調で話すあの人が気になって仕方なかった。
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核兵器

少女は思った。 世界から核兵器がなくなれば、世界は平和に近づけると。 なので、少女は祈り続けた。 世界から核兵器がなくなるようにと。
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変質者

俺は妻と別れて娘と2人で暮らしている。 最初は男手一つで娘を育てられるか心配だったが、娘は人懐っこい性格であることもあり、家政婦さんともすぐに打ち解けてくれた。 仕事が忙しいときなんかは、頻繁に家政婦さんに来てもらっている。 多少、お金がかかるが、娘を一人にする時間が少くなるのなら、これはこれでいいだろう。
意味が分かると怖い話

消毒用アルコール

俺は個人で洋食店を営んでるんだけどさ。 前まで、例の感染症のせいで、客足がぱったりだったんだよね。 でも、国からはなんだかんだいって補助金とか出てたからさ、なんとかやりくりできてたんだよね。 っていうか、補助金のおかげで儲けられたっていうか、一種のバブルだったんだよ。 だってさ、働かなくても、お金が出たんだからさ。 そりゃ、調子に乗って使っちゃうよ。
意味が分かると怖い話

ホテルのフロントマン

「ええ。そうですね。303号室のお客様は1ヶ月ぐらい滞在していました」 「え? 怪しい点ですか?」 「いえ、特になかったと思いますが……」 「逆に規則正しい方でしたよ」 「毎日、朝の6時にモーニングコールをして、7時にドアの前に朝食を洋食にするか和食にするかの札がかけられるんです」