性善説

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本編

その住職は性善説を信じていた。
動物は生まれ落ちたときの本性は善であり、人間の欲によって悪に染まっていくという考えだ。
 
あるとき、住職はその考えを証明するため、生まれたばかりの赤子を引き取る。
物心つく頃から、住職はその子を厳しく育て上げ、人間の欲というものを排除した。
 
そして、その赤子が成長し、成人を迎える頃。
 
その子は住職とその周りの人間たちを襲い、刃物で刺していく。
周りの人間が死んでいき、自分の意識が薄れていく。
 
「やっぱり私の性善説は正しかった」
 
そう思いながら、住職は息絶えた。
 
終わり。

■解説

なぜ、人を殺したのに、性善説が正しかったと思ったのか。
それは、住職が人間を殺すことを悪だと考えていなかったからである。
様々な生き物に害を成す人間そのものが悪だと考えていたのかもしれない。
なので、その悪を殺した子は善だと確信したのである。

 

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