ウォシュレット

意味が分かると怖い話

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本編

俺は3年前くらいから、イボ痔に悩まされている。
本当は切った方がいいのかもしれないが、怖くて先延ばしをしているうちに、年月が経ってしまった。
 
しかも、最近はストレスのせいか、悪化してきている気がする。
仕事中でも1時間、ずっと座ってられないくらいだ。
 
そこで俺は思い切って、ウォシュレットを買うことにした。
少しでも清潔を保とうと思ったからだ。
そして、念願のウォシュレットの設置が終わる。
 
家の中にウォシュレットがあることになんか感動してしまう。
無駄に写メなんかも撮ったりした。
友達を呼んで自慢しようかと思ったけど、それは止めた。
いい大人がウォシュレットではしゃいでるのも恥ずかしいし、何より呼ぶ友達がそもそもいない。
 
数日、ウォシュレットを使ってみると、実に心地いい。
これは手放せないと思った。
 
でも、使い過ぎと水圧には気を付けること、とネットで書いてあった。
だから、どんなときでも20秒以上は使わないようにしている。
 
そんなある日の会社帰り、新しく建っていたラーメン屋を見つけた。
激辛のラーメン。
しばらく、この手のものは避けていたことと、お腹が減っていたこともあり、フラッと立ち寄ってしまった。
 
そのラーメンはすごく美味しかったのだが、次の日に腹を壊してしまった。
すぐにトイレに駆け込む。
辛い物を食べたせいで、痔が物凄く痛い。
 
慌ててウォシュレットのボタンを押す。
 
しかし、その瞬間、俺はさらに叫ぶことになってしまった。
 
俺はすぐに水圧を強から弱へと下げた。
 
辛い物はこりごりだ。
しばらく、食べるのは止めよう。
 
終わり。

■解説

語り部は痔で、ウォシュレットの水圧にも気を配っていた。
それなのに、なぜ、水圧が『強』になっていたのだろうか。
さらに語り部には家に呼ぶ友達もいないと言っている。
一体、誰が水圧を『強』にしたのだろうか。

 

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