焼き肉

意味が分かると怖い話

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本編

焼き肉が好きな人は多いと思う。
実際、俺も大好きだ。
 
学生の頃は小遣いを貯めて、友達と食べ放題によく行っていた。
けど、就職して少しはお金が使えるようになってからは、もっぱらバーベキューにハマっている。
 
夏になれば友達を集めてバーベキューをする。
大体、月に1、2回のペースだ。
 
ただ、最近の悩みはバーベキューをする場所がないということ。
適当な川辺でやっていたら、警察を呼ばれたこともあった。
かといって、バーベキューをする場所に行くと金を取られる。
そこに金をかけるくらいなら肉にかけたい。
 
それになんでかしないが、数か所のバーベキュー場では出禁になっている。
ちょっと、うるさくしただけなのに。
お酒を飲んでたら誰だってあれくらい騒ぐと思うんだが。
 
あとは今年の夏は、例の感染症のせいで自粛だか何だかで余計、外でバーベキューをしていると何かと苦情を言われるから、ほとんどできなかった。
ホント、最悪。
 
そんな中、俺はある画期的なアイテムを見つけた。
それは『煙が出ない炭』というものだ。
 
半信半疑で買ってみたんだが、全く出ないというほどではなかったけど、普通の炭と比べると格段に煙は出ない。
これで、屋内でバーベキューができる。
 
俺が借りている借家の一階は車を停めるスペースになっている。
いわゆる車庫になっている状態だ。
だから、車を出してしまえば、そこそこのスペースができる。
ちょっとしたバーベキューをするにはちょうどいい。
 
さっそく、次の休みの日に友達を誘ってバーベキューをすることにした。
ここなら、いくら騒いでも文句は言われないだろう。
 
肉と酒をたくさん用意し、バーベキューを開始する。
久しぶりのバーベキューに友達も喜んでいた。
 
肉を食って酒を飲んで、いい感じになってきたときだった。
友達の一人が寒いと言い出した。
 
見ると入り口のシャッターが少し開いている。
シャッターや開いている隙間を閉めて、またバーベキューを楽しむ。
明日も休みだから、今日は夜通し騒ぐつもりだ。
 
よし、来月もまたやろう。
 
終わり。

■解説

開いている隙間を塞いでしまったため、その密室状態になっている。
このままでは語り部はもちろん、その場にいる友人たちも一酸化炭素中毒になってしまう。
そして、全員、酔っているので異変に気付かない可能性が高い。

 

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