【意味が分かると怖い話】悪魔の取引

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■本編

少年はどうしても、新しいタブレットが欲しかった。

周りはみんな持っていて、少年が持っている古いタイプでは流行りのゲームもできない。

少年はみんなの話についていけないことも多くなり、孤立しつつあった。

母親に何度も買って欲しいと懇願したが、あんたには必要ないでしょの一点張りだ。

 

ある時、少年はこんな話を目にする。

自分の臓器を売って、スマホを買ったという話だ。

 

少年は臓器なら、売っても親にバレないだろうし、いい案だと思う。

そして、実際に臓器を買い取ってくれるところがないかを探し始めた。

 

そんな時、突如、少年の前に悪魔が現れて、ある提案をしてくる。

それは、悪魔と契約して、あるものを差し出せば、最新のタブレットを渡すというものだった。

 

少年は躊躇する。

悪魔なんかと契約したら、何をされるかわからないからだ。

だが、悪魔はそんな少年の心の中を読んだように、言葉を続けた。

「大丈夫。魂や寿命をよこせというわけじゃない。体の先っぽをちょっと貰うくらいだ。たくさんある、先っぽをね」

「健康には一切、影響しない。それどころか、お前が100歳まで生きれることを保証しよう」

「俺がもらうものは、最初から無い人間だっているし、生きていく中で無くなる人間だっている」

「多少は生活が不便になるかもしれない。だが、そのおかげで国からお金が貰えるかもしれないぞ」

「……え? 目だって? いやいや、そんなものは貰わないよ。見えなくなったら、せっかく貰ったタブレットでゲームができないだろ? 俺は悪魔だけど、そこまで酷いことはしないさ」

「しかも、親にバレないようにしてやるぞ。親の記憶を改ざんするから、お前が怒られるようなこともないのさ」

 

少年は少し怖かったが、悪魔と契約することにした。

どうしても、新しいタブレットが欲しかったのだ。

 

悪魔と契約を交わすと、少年の手には最新のタブレットが載せられていた。

少年はさっそく、起動させてゲームをしようとした。

 

しかし、あることに気付き、少年は最新のタブレットを叩き割った。

 

終わり。

■解説

悪魔が契約で持っていったものは少年の指。

 

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