【洒落怖】信号は、ちゃんと上が光っていたのに

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僕はオカルトが好きだ。
ただ、オカルトといっても、幽霊とか都市伝説じゃなくて、宇宙人とかUFOとか、そっちの方。

それを友達に言ったら、宇宙人とかも都市伝説だろ、って言われた。

全然違う。
都市伝説っていうのは本当にあるかどうかわからない話のことだ。

でも、宇宙人は本当にいる。
なぜ、そう思うのかというと、実際に見たからだ。

それは去年の話。

その頃、僕は幽霊とか都市伝説の方のオカルトにはまっていた。
それで、地元で有名な心霊スポットによく行っていたのだ。

そこは心霊スポットというよりは自殺の名所って感じで有名のところで、よく自殺者とか行方不明者が出てるって話だった。
実際に何人も亡くなっているなら、高確率で幽霊に会えると思っていた。

でも、そこで見たのはUFOだった。
そのUFOは思ったよりも小さくて、トラックくらいの大きさだったと思う。

誰かを連れ去っていくのを見てしまった。

興奮した。
あんな衝撃を受けたのは生まれて初めてだった。

そっから僕は完全に宇宙人にハマってしまったのだ。
UFOの目撃情報を探し回る日々。

でも、最近は宇宙人とかUFOとかの流行は下火になっていて、SNSでも、そういう話はほとんどない。
去年とかアメリカの元大統領が宇宙人はいる、という発言をしたのに。
全然、盛り上がらなかった。

けど、それはそれでいいのかもしれない。
下手に流行っていたら、嘘情報も多くなる。
それを全部確認していたらきりがない。

逆に今のタイミングで、目撃情報の書き込みがあったら本当の確率が高いはずだ。

そして、ネットでもリアルでも目撃情報を集めていたら、ようやく見つけた。

それは隣町の山奥で、滅多に人が立ち入らないような場所だ。

これは信ぴょう性がある。
そう思った。

だから、僕は休みの日を利用して、さっそくその山に行った。
そこは思った以上に森が深く、移動するのも一苦労だ。
全然、人が通らないので、獣道さえも途切れかけている。

そんなところを通って進んでいると、いきなり、家を発見した。
普通の1階建ての一軒家。

本当にどこにでもあるような、普通の家だ。
さすがにもう誰も住んでないみたいで、廃墟化が進み始めていた。

その家を見ていたら、昔の、心霊スポット巡りをしていたときのことを思い出して、ドキドキする。
玄関に行ってみると、鍵はかかっていなかったから、入ってみた。

中に入ってみると、思ったよりも綺麗で埃一つ落ちてない。
不思議なことに、空気も淀んでなくて、まだ誰か住んでいるかのような、そんな生活感があった。

なんでそう思ったのかは自分でもわからない。
10人中8人くらいはこの光景を見たら廃墟だと思うはずだ。
僕だって、写真か何かで見たら、廃墟だって言ったと思う。

なぜなら、部屋の中には何もなかった。
家具も一切なく、ガランとした部屋。
床もなんだか、フローリングというよりは壁紙のような感じで、なんだかアンバランスだ。

そして、奇妙なのが、家具や物は何もないのに、壁には絵が飾ってある。
それも1つじゃなく、3つも。

そのどれもが逆さに飾られてあった。

なんで、逆さなんだろう?
それにどうして絵だけ置いていったのか。

そんなことを考えている時だった。
不意に視線を感じた。
いや、最初から感じていたのかもしれない。
まだ人が住んでいるように感じたのは、その視線のせいだったからもしれない。

その視線は、上から感じた。

見上げてみて、僕は絶句した。

天井に人が立っている。
いや、人だけじゃない。
家具や物も、全部、天井に張り付いているかのようだった。

そして、僕を『見下ろしている』のは5歳くらいの男の子だった。
何も言わずに、無表情でジッと僕を凝視している。

僕は悲鳴を上げて、すぐにその家を出た。
そのまま山を下りて、街へと走る。

とにかく、誰かがいる場所に行きたかった。

あの光景があまりにも不気味だったから。
他人でもいいから、誰か人がいる場所で一息つきたかった。

この先に見える喫茶店にでも入ろうと思って、信号を渡ろうとした時だった。
いきなりトラックがクラクションを鳴らしながら突っ込んできた。

危なかった。

なんてひどい運転をするんだろう。
僕はちゃんと信号を見て渡ったのに。

信号はちゃんと上が光っていたんだ。