本編
女はデパートの迷子センターの係員をやっている。
あるとき、一人の女の子が店内の中で泣いているのを発見した。
女はすぐに女の子を保護し、店内に迷子の案内のアナウンスをする。
すると一人の若い女性が保護者だと言ってやってきた。
だが女は、以前にその若い女が違う子供を連れていたのを覚えていた。
なので、もう母親が引き取りに来たと嘘を言うと、若い女は逃げるようにしてその場を後にする。
その後、40代の女性が「母親です」と言ってやってきた。
女の子に聞くと、「お母さん」と答えたので、その女性に女の子を引き渡した。
女は、若い女性が誘拐犯だと考え、事件を未然に防いだことに満足する。
後日。
女はテレビで、やはり迷子の女の子を引き取りに来たのは本当の母親だと知った。
しかし、女は自分のしたことに酷く後悔した。
終わり。
■解説
最初に「保護者」だと言ってやってきたのは児童相談所の職員だった。
そして、迷子の女の子のことをテレビで知ったと言うことは『事件』が起こったということである。
つまり、女の子は母親から虐待を受けていて、児童相談所の職員が保護していた。
女が良かれと思ってやったことは、逆に女の子を苦しめたことになる。

