本編
俺は死刑囚だ。
毎日、部屋でドアが叩かれるのを怯えて過ごす。
早く日本でも死刑が廃止になればいいのに。
死刑の恐怖で頭がおかしくなりそうだ。
死刑は一瞬で済むのだろうか?
そればかりを1日中考えている。
それももう疲れてきた。
いっそ、早く楽になりたい。
そう考えてきたらドアがノックされた。
部屋から出て、長い廊下を歩く。
部屋に入り椅子に座らされる。
目隠しされ、頭に水を含んだスポンジを乗せられる。
そして、ついに電気が流された。
俺はあっという間に意識が途切れた。
これでやっと楽になれる。
終わり。
■解説
日本は電気椅子ではなく絞首刑である。
つまり、これは語り部の夢だった。
語り部の恐怖はこれからも続いていく。