本編
ここは妖怪がやってくる、妖怪専用の病院。
毎日、様々な妖怪が担ぎ込まれてくる。
座敷童、河童、雪女、猫又や海坊主も連れ込まれる。
今、私が担当しているのはミイラ男。
なんでも、火事に巻き込まれて全身火傷をしたみたいだった。
予断を許さない状況だったけど、明日は妹の結婚式。
私は後輩に引継ぎして、有給休暇を取った。
次の日。
担当した患者のベッドには大量の包帯が置いてあった。
後輩の話ではもう使わなくなったから、あとで処分するんだそうだ。
そっか。
無事に退院したんだ。
よかったよかった。
終わり。
■解説
ミイラ男が包帯を使わなくなったというのはおかしい。
つまり、ミイラ男は退院したのではなく、亡くなってしまい、もう使わなくなったということである。