本編
創設されてから2000年間、1度も他の流派に敗れたことのない最強の流派があった。
一般には知られていないが、その道の人間でその流派のことを知らない者はいない。
その男は腕にかなりの覚えがあった。
他流試合を何度も繰り返し、負け知らずで、自分こそが最強だと考えている。
そんな中、男はようやくその、最強の流派を受け継ぐ人間を見つけ出した。
山奥で、他にはだれも住んでいないような場所で修業を積んでいる最強の流派の人間。
男が他流試合を申し込むと、快く受けてくれた。
2人だけの密かな決闘。
その戦いは1晩中続き、朝を迎えるころにようやく決着がついた。
結果は男の勝ち。
男は喜んだ。
これで最強は自分の方なのだと。
だが、その後、男が最強の流派を破った噂は流れることはなく、男の姿を見たものもいない。
終わり。
■解説
最強の流派の人間たちが、噂が広まる前に男を闇討ちして殺した。
今まで負けたことがないのも、単に勝った者を亡き者にしていただけである。