本編
私は小学生のときから、ずっとTくんのことが好きだった。
それは親友のK子にも伝えていたし、相談にも乗ってくれていた。
それなのに、高校に入ったら、A子が「私も好きになっちゃった」だって。
本当にふざけてる。
A子は私よりも可愛いし、勉強もできて、運動神経も抜群。
私がA子に勝てるところなんてない。
このままじゃ、A子に取られてしまう。
焦り、悩んでいた時だった。
私は図書室で、ある本を見つけた。
それはおまじないが書かれていた本で、「恋敵に違う人を好きにさせるおまじない」というものがった。
これだ!
私は必死になって、そのおまじないをやった。
条件は色々と厳しかったけど、私はちゃんとやり遂げた。
きっとA子は違う人を好きになるだろう。
これでKくんは私のものだ。
終わり。
■解説
語り部は最初、Tくんが好きだと言っている。
しかし、最後はKくんのことを好きになっている。
つまり、語り部は誰かに「おまじない」をかけられてしまっている。
動画
簡易的な読み上げの動画になります。
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