意味が分かると怖い話 解説付き Part471~480

意味が分かると怖い話

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捜索

12月に登山のために山に入った男が遭難した。
捜索隊が山に入り、探したがそのときは男を見つけることができなかった。
 
だが、男の家族は諦めることなく、山に入って捜索していた。
 
そして、8月。
猛暑の日に、男の遺体を家族が探し当てた。
 
どうやら、足を滑らせ、崖の下に転落したようだった。
 
家族の話では崖の近くで、男が着ていたジャンパーを見つけ、下を覗いてみたら遺体を見つけたという話だ。
 
遺体には争った形式もないところから、暑くてジャンパーを脱いだ際にバランスを崩して落ちたのだろうと判断された。
 
男の家族は遺体だけでも持ち帰れてよかったと涙ながらに語った。
 
終わり。

■解説

男が遭難したのは12月。
その時期に、暑くてジャンパーを脱ぐことはあるのだろうか。
もしかすると、ジャンパーを脱がされ突き落とされたのかもしれない。

 

天体観測

天体観測が趣味の男がいた。
 
毎日のように天体望遠鏡を覗き込んでは、空に浮かぶ星たちを眺めていた。
そんなあるとき、男は新しい星を見つけた。
 
調べてみても、その位置に星があることは載っていない。
男は意気揚々と、新しく見つけた星を国際天文学連合に報告した。
 
すると、男が見つけたのは新しい星ではないと返答された。
しかし、そのことは大きくニュースとなり世間を騒がせる。
 
そして、しばらくすると男の消息は不明となった。
 
終わり。

■解説

男が見つけてしまったのは星ではなく未確認飛行物体だった。
男はその存在がバレるとマズいと考える組織に消されてしまったのかもしれない。

 

アニソン

俺はアニメオタクだ。
学校から帰ったら、寝る間で録画したアニメを消化する。
アニメは俺の全てと言ってもいい。
 
今日も学校が終わり、帰ってアニメの続きを見ようと思っていたのにクラスのKに捕まった。
Kは学校でも有名な不良で、逆らってボコボコにされた人を何人も見ている。
だから、一度捕まったら終わり。
Kの言うことを何でも聞く羽目になる。
 
「カラオケ行くぞ」
 
正直、耳を疑った。
こんな陰キャの俺を誘って、どうしてカラオケなんて行く必要があるんだ?
俺はそう思ったが、その疑問はすぐに解決した。
 
「俺、アニメ嫌いだからアニソン禁止な」
 
Kは仲間を5人連れてきていて、順番に歌っていき、アニソンを歌ったら負けで、負けた人がここを奢るというものだ。
 
アニソン以外のレパートリーをどれくらいもっているかという勝負だけど、俺は逆にアニソンしか知らない。
それはKも知っていることで、結局は俺にカラオケを奢らせて、かつ俺を笑いものにしたいんだろう。
 
Kが最初に歌い、仲間が歌っていき、ついに俺の番になった。
 
アニソンしか知らない俺は、どうしようか悩んだ。
そこで、曲のタイトルも曲の雰囲気もアニソンだとわからない曲を選んだ。
そのアニメは全然、ヒットしなかったし、そのアニメのことを知ってる人も少ないほどだ。
 
そして、俺は歌い始めようとした、その時、Kがこう叫んだ。
 
「アニソンじゃねーか! はい、お前の負け―!」
 
Kがゲラゲラ笑う中、その場は凍り付いた。
 
終わり。

■解説

Kはなぜ、その曲がアニソンだとわかったのか?
つまり、Kはアニメが嫌いと言いながら、実はアニメが好きだったことがわかる。
この後、Kは仲間にそのことでバカにされるかもしれない。

 

最近、誰かに見られている感じがする。
そのせいで、怖くて夜も眠れない。
 
お母さんやお父さんに無理を言って、一人暮らしをしたのに、今は後悔している。
でも、だからと言って帰るわけにはいかない。
私にも意地があるのだ。
 
そんなある日、大学から帰ってきて、家の鍵を開けようとしたら、鍵が入らない。
 
え? どうして?
 
私が焦っていると、ちょうど管理人さんがやってきた。
 
「これ、あなたの部屋の鍵でしょ? 落とし物で管理室に届いてたの」
 
私は管理人さんにお礼を言って、鍵を受け取って、部屋に入ることができた。
 
その日、私はすぐに引っ越しすることにした。
 
終わり。

■解説

語り部は「鍵が入らない」と言っている。
もし、鍵を落としているのなら、そもそも、鍵を差し込むことができないはず。
つまり、誰かによって鍵が新しい物に付け替えられているということになる。

 

カンニングペーパー

次のテストの結果で、俺が留年になるかどうかが決まると言われた。
けど、正直いって自信はない。
このままだと弟と同じ学年になってしまう。
それだけは避けたい。
 
そこで俺は色々と考えた末、カンニングペーパーを作ることにした。
 
古典的な方法だが、今の俺にはこれしか方法がない。
 
とはいえ、いざ、カンニングペーパーを作るにしても、どう作っていいかわからない。
誰かに頼もうかと考えていると、弟もカンニングペーパーを作っているのを見つけた。
 
ラッキー。
あいつも成績が落ちてたもんな。
これを使わせてもらおう。
 
俺はさっそく、そのカンニングペーパーを紙に写した。
 
終わり。

■解説

語り部と弟は学年が違う。
弟が作ったカンニングペーパーを使っても意味がない。
語り部は留年する可能性が高い。

 

紙芝居

子供の頃、妙に怖いと思うものがあって、それを今見直してみると大したことなかったっていうのがあるよね。
 
コマーシャルとかリアル調なキャラクター絵とか。
 
俺にとって、紙芝居がそれだ。
子供が魔女に捕まって食べられそうになるという、よくある話。
 
その中で、魔女がニヤリと笑っている絵が本当に怖かった。
あまりにも怖くて、1時間くらいずっと泣き続けたらしい。
うちの親が倉庫にその紙芝居をしまい込んだことで、やっと泣き止んだと言っていた。
 
それで、この前、倉庫の掃除をやっていたら、その紙芝居が出てきた。
懐かしいと思いながらも、内心ドキドキしながら開けてみたんだ。
 
そしたらさ、笑っちゃうくらい全然大したことなかったんだよね。
逆に魔女のニヤリと笑っているのが可愛いとさえ思うほどだ。
 
そりゃ、魔女に捕まっている青年も苦笑いするよ。
食べられそうになってるのに、そんな顔してたら、笑っちゃうから。
 
なんだか、肩透かしだ。
これなら、怖い思い出のままにしておけばよかったなぁ。
 
終わり。

■解説

子供の頃に見たときは、魔女に捕まっているのは子供だったのに、今見ると青年に変わっている。
本当に怖いのは魔女の笑みではないのかもしれない。

 

牛丼

昔さ、国内外で狂牛病が流行ったことがあったんだよね。
 
そのときは当たり前だけど、チェーン店でも牛丼を出さなくなってさ。
牛丼好きな俺からしたら、死活問題だったわけ。
 
でも、俺の家の近くにある、個人でやって店が牛丼を出し続けてくれたんだよね。
 
店の親父は「安く手に入れることができたんだよ」と笑ってたっけ。
 
あんな状態で、牛肉を安く仕入れるなんて、あの店の親父はスゲーよ。
きっと、顔が広いんだろうな。
 
で、この前、久々に行ってみたら、その店、潰れてたんだよね。
 
はあ……。
これも最近の不景気のせいかな。
 
また、あの親父の牛丼、食べたいな。
 
終わり。

■解説

チェーン店でも牛肉を手に入れられないのに、個人店が安く手に入れられるのはおかしい。
もしかすると、廃棄するはずの肉を買っていた可能性がある。
そして、それが見つかり、店は潰れたのかもしれない。

螺旋階段

学校の近くに、廃墟化したホテルがあるんだよね。
で、夏休みに友達3人で、肝試しに行こうってことになって、そのホテルに行ったんだ。
 
そしたらさ、そのホテル内に大きな螺旋階段があったんだよね。
 
で、みんな、面白そうってことで登ってみることになった。
 
でも、僕は賛成したことを5分で後悔した。
 
僕は3人の中で体力がないから、他の2人はスイスイ登っていくんだけど、僕だけは取り残されちゃったんだ。
 
辛いし、怖いしでもう最悪。
 
それで30分くらい登ったときだったかな。
階段が壊れて、崩れ落ちてたんだよね。
 
なんだよ、こんなオチかよ!
 
僕は足早に階段を降りて、ホテルから出たんだ。
 
終わり。

■解説

階段が崩れ落ちているなら、前を登っている2人が戻ってくるはずである。
だが、語り部は2人とすれ違っていない。
つまり、前を行く2人は落ちてしまったと考えられる。

サイコパス診断

一昔前にサイコパス診断というのが流行ったらしい。
なんでも、質問に答えることで、相手がサイコパスかどうかを判断できるものみたいだ。
 
まあ、心理テストみたいなものだろう。
 
それを友達がやろうと言って、持ってきた。
 
ただ、これを普通にやっても面白くない。
だから俺はあえて、自分の考えとは逆のことを答えた。
 
そして、診断が終わった後、友達はこう言った。
 
「なんだ、普通の人かよ。面白くねぇ」
 
終わり。

■解説

あえて逆の方を答えたのに、普通の人ということは、語り部はサイコパスの可能性が高い。

 

イジメ

気に食わない奴がいる。
中学の頃から、ずっと嫌いで、高校で同じクラスになってからはさらに嫌いになった。
 
根暗でオタクのくせに、ちょっと顔がいいってだけで女子にモテやがる。
だから、俺はそいつをイジメることにした。
 
そいつの物を隠したり、遠回しに悪口を言ったり、のけ者にしたりと、色々とやった。
だが、あいつは神経が太いのか、まったく気にする様子がない。
 
俺のいら立ちは日々、募っていく。
 
そこで、俺は直接的にイジメることにした。
もちろん、問題になるとヤバいので、遊びのテイで、だ。
 
つまり、プロレスごっこと言って、あいつにプロレス技をかけるのだ。
もちろん、本気で技をかけるので、さすがのあいつも痛がっていた。
 
ざまあみろだ。
 
それを続けることで、俺は学校であいつに会うことはなくなった。
 
それにしても、毎日が暇だな。
何して時間を潰そうか。
 
終わり。

■解説

語り部がイジメていた相手は、イジメを全く気にしていなかった。
つまり、イジメだと気づいていなかった可能性がある。
ということは、プロレスごっこも、イジメではなく本当に遊んでいると思い込んでいたことになる。
そうすると、語り部はその相手からプロレスの技を逆にかけられることになる。
それがエスカレートし、語り部の方が登校拒否になってしまった。
なので、毎日が暇になってしまったわけである。

 

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