本編
私、図書委員をやってるんだけど、最近、ちょっと厄介なことがあって困ってる。
それはある生徒が、毎日来て私に、ある本がいっつも貸出されていると言ってくるのだ。
正直、私からしたら、そんなこと言われてもって感じなんだけど。
その生徒の言うことだと、半年くらいずっと待ってるらしい。
確かに、1ヶ月前からこの生徒が来ている。
もしかしたら、その本を借りた人が紛失して、ずっと返してないのかもしれない。
そう思って、貸出カードを見てみたけど、借りてるのはほんの1週間前だ。
それなら、返してと言いに行くこともできない。
貸出期間は2週間だから、待っていて欲しいと伝えた。
それから2週間後。
その生徒は目的の本を借りることができたみたいだ。
凄く喜んでて、ウキウキしながら帰って行った。
私は改めてその本の貸出カードを見てみた。
そしたらカードには全部同じ人の名前が書かれている。
おかしい。
だって、この学校には同姓同名の生徒がいないんだから。
終わり。
■解説
貸出カードに書かれている名前はすべて同じだった。
そして、その名前の生徒は、半年間ずっと「その本が借りられない」と言い続けていた。
もし貸出カードが正しいのだとしたら、
その生徒は「自分が借りている本を、自分で待ち続けていた」ことになる。
では、その本を借りていたのは、一体、誰だったのだろうか。
