本編
冬休みに入ってから、物凄く暇だ。
最初は休みが嬉しかったけど、1週間もすればやることがなくなる。
仕方がないので知り合いを呼び出して暇をつぶすことにする。
私を狙っているっぽいから、呼び出しなんてしたら調子に乗るかもしれない。
でも、背に腹は代えられない。
たぶん、奢ってくれるだろうし。
どうせだから、前々から行きたかったけど、高くて行けなかったところにしよう。
というわけで、さっそくメールで時間と集合場所を書いて送る。
あと15分しかないけど、12時にした。
そしたら、すぐに行くって返ってきた。
やっぱり、こいつはチョロいな。
私もすぐに支度して待ち合わせ場所に向かう。
でも、途中で電車が止まってしまった。
少し遅れるって連絡しようと思ったけど、家に携帯を忘れてしまったことに気付いた。
まあいいや。
少し遅れても待ってるだろう。
そう思って待ち合わせ場所に行ったら、やっぱり待っていた。
しかも、文句の一つも言わない。
やっぱり、私のことを好きなんだろう。
それからは、そいつの奢りで一日いっぱい遊びまわった。
良い時間潰しになった。
帰ってから、携帯に着信とかメールが来てないか確認する。
そしたら、未送信ボックスに1通入っていた。
それは11時45分であいつのアドレスのものだった。
もしかしたら、遅いからメールを送ってたのかもしれない。
あいつのメールってことで、私は開かずにそのまま閉じた。
終わり。
■解説
メールは『未送信ボックス』に入っている。
つまり、語り部が『送ろうとしたメール』である。
そして、11時45分ということは、その人を呼び出したメールということになる。
つまり、相手は語り部からのメールを受け取っていない。
では、なぜ、相手は待ち合わせ時間と場所を知っていたのだろうか?
