本編
最近、何かと視線を感じる。
友達からはストーカーだ、女なら付き合っちゃえと、からかわれてるけど、俺からしたら冗談じゃない。
寝ていても、近くから物音がしたりして、目が覚める。
最近は怖くなって、よく友達の家に泊まりに行ったりしていた。
そんなときだった。
甥っ子たちが家に遊びに来た。
まだ5歳くらいで、可愛い盛りだ。
俺によく懐いてくれているから、本当に可愛い。
遊んでいるだけで癒される。
最初は一緒にゲームとかしてたけど、すぐに飽きてしまったらしい。
他に何かしたいことあるかって聞いたら、「かくれんぼ」と言われた。
俺の狭い部屋であんまり隠れるところないと思ったけど、甥っ子がせがむからやることにする。
1、2、3……4。
10まで数えたときだった。
「みーつけた」
いきなり見つかった。
早すぎるよ。
終わり。
解説
語り部は10まで数えている。
つまりは『鬼』のはずである。
それなのに「見つけた」と言われるのはおかしい。
「見つけた」と言われたのはストーカーからかもしれない。