本編
俺は2年前からB組のSちゃんのことが好きだった。
必死にSちゃんにアピールし、今では普通に話せるようになっている。
このままいけば、もしかしたら付き合うことができるかもしれない。
でも最近、邪魔者が現れた。
友達のTだ。
Tは俺の話を聞いて、Sちゃんのことを見るようになって、いつの間にか自分も好きになったらしい。
Tは図々しいことに、俺を利用してSちゃんに話しかけるようになった。
TとSちゃんとの仲は、俺とSちゃんとの仲と変わらなくなってきている。
マズイ。
このままではTに先を越される。
そこで俺はある作戦を立てた。
それは交換日記をするという方法だ。
交換日記はメールでやり取りと違って、レトロ感がいいということで最近、学校でブームになっている。
俺はダメ元でSちゃんに交換日記をしないか頼んでみた。
そしたら意外とあっさり、オーケーをもらえた。
そこから俺とSちゃんとの二人で交換日記を始めた。
Tにバレないように、ノートはSちゃんの机を介してやるようにする。
俺が書き終わったら、Sちゃんの机の中にノートを入れて、次の日にSちゃんの机の中からノートを回収する。
Sちゃんとの交換日記は楽しい。
Sちゃんの字は思ったより普通で、実は話も凄く合うことがわかった。
やっぱり、文字だと本音が出やすいのかな。
これで随分とSちゃんとの距離が縮まった気がする。
それなのに、Tも妙に機嫌がいい。
なんなんだろうか。
でも、俺の方が絶対にSちゃんと仲がいいはずだ。
あとはいつ告白するか、だ。
なんて思っていたら、Sちゃんにこんなことを言われた。
「いつ、交換日記はじめるの?」
終わり。
■解説
語り部はSちゃんの机を介してTと交換日記をしていた。