太陽の光と虫メガネ

意味が分かると怖い話

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本編

物置を掃除していると、巨大な虫メガネを見つけた。

虫メガネで太陽の光を集めて黒い紙に当てると火が付く。
小学校の頃、よく遊びでやっていたことを思い出す。
 
懐かしくなって、久しぶりにやろうと思い、机の上に持ってくる。
黒い紙を用意し、窓から差し込む太陽の光を虫メガネで集める。
 
最初はなんかワクワクしたけど、5分もしないうちに飽きた。
 
逆に昔はなんでこんなことに夢中になっていたのかが不思議なほどだ。
 
俺は虫眼鏡を机の上に置き、来週分の買い出しに出かける。
家を出て1時間くらいした頃だろうか。
不意に友達から電話がかかってきた。
 
どうやら俺の家に遊びに来たらしいのだが、俺の家から煙が上がっているというのだ。
 
俺はすぐに虫メガネのことを思い出す。
ちゃんとしまってなかったから、今頃火が付いたんだろう。
 
俺は慌てて家へと戻った。
 
すぐに机の上の虫メガネのところに行く。
 
案の定、虫眼鏡に太陽の光が当たっていて、紙が熱くなっていた。
 
終わり。

■解説

紙が熱くなっていたという表現から、まだ紙に火は付いていないということである。
つまり、煙の原因は虫メガネではなく他にある。