本編
最近、母が元気になった。
以前は家から一歩も出なかったのに、今では2日に1度は出かけている。
それはいいことなんだけど、母はもう80歳でちょっと心配だ。
俺が車で送ると言っても、聞く耳を持たない。
それに、母は最近、少し痴呆症の症状が出ている。
毎日、俺にご飯をよそってくれるのだが、それにお線香を立てているのだ。
きっと、死んだ親父と間違えているんだと思う。
それに俺の話を聞かずに一方的に話してくる。
だから、母には出かけてほしくない。
出かけて迷子になられても大変だ。
今日も袋を片手にスーパーに行くらしい。
言ってくれれば俺が買ってくるのに。
終わり
■解説
語り部は幽霊になっているが気づいていない。
語り部がいなくなったので、買い物も自分で行くようになった。