コイントス

意味が分かると怖い話

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本編

俺は昔から勝負事が好きだった。
そんな俺の性格を見抜いてか、浩平はその勝負にお金を賭けてきた。
 
そのせいで、俺はすっかりギャンブル好きになってしまった。
大学生になる頃にはパチンコにはまり、友達を集めて賭けマージャンとかは当たり前で、何かにつけて勝負をしてお金を賭けるようになる。
 
その中で浩平との賭けをすることが一番多い。
ただ、浩平との賭けはいつも俺が負けてしまう。
本当に悔しい。
いつか、浩平にぎゃふんと言わせてやりたい。
 
そんな思いから、得意なことで勝負を挑むんだけど、それでも勝てないのだ。
もう浩平と賭けをするのはやめよう。
 
そう思っていると、逆に浩平の方から賭けを挑んできた。
あっちから言い出してくるなんて珍しい。
 
浩平の方から言い出したってことは、なにか自信がある勝負に決まっている。
自分の得意なものでも勝てないのに、浩平の得意分野じゃ勝負にならない。
だから、俺は断ろうとした。
 
けど、浩平から提案されたのは『コイントス』だった。
しかも、俺がトスする側だ。
これなら、完全に運と勘の勝負になる。
 
勝てるかもしれない。
 
俺は浩平からの賭けを受けることにした。
さっそく、10円玉を出してコイントスをする。
 
俺は表で浩平は裏。
 
結果は表で俺の勝ち。
 
初めて浩平に賭けで勝った。
でも、今度は浩平のほうがものすごく悔しがっている。
もう一回と言ってくる浩平。
 
俺はまた勝てると思い、勝負を受けた。
勝負の掛け金は1回目の倍。
 
結果はまた俺の勝ち。
さらに掛け金を倍にしてもう1回勝負する。
また俺の勝ち。
 
そしたら浩平は最後の勝負として、掛け金を倍にしてきた。
そして、俺の10円玉だとなにか不正しているんじゃないかと言い出し、浩平が持っていたコインで勝負しろと言ってくる。
出してきたのは見たことないコインだった。
 
俺は裏で浩平は表に賭ける。
 
そして、俺はコインを指で弾く。
すると浩平がにやりと笑みを浮かべた。
 
終わり。

■解説

浩平が出してきたのは、語り部が見たことのないコイン。
つまり、語り部はどっちが表か裏かがわからないはずである。
それなのに、語り部は裏に賭けてしまっている。
コインがどっちに向いていても、表と浩平が言えば語り部は納得せざるを得ない。
結局、語り部は今回も浩平に負けてお金を払うことになる。

 

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