中古の家

意味が分かると怖い話

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本編

ある老夫婦は仕事の引退後、田舎に中古の一軒家を購入した。
 
都会の懸想を忘れ、ゆっくりとした毎日を過ごす老夫婦。
しかし、1ヶ月もすると夜な夜な、赤ん坊の泣き声が聞こえるようになった。
 
家の中を散策するが、もちろん、赤ん坊なんていない。
 
もしかすると赤ん坊の幽霊かもしれないと考えた老夫婦は住職にお願いをして、お払いをしてもらった。
 
しかし、それでも泣き声は止まらない。
 
もう、家を売ってしまおうかと思った矢先だった。
 
妻の方が地下の倉庫の壁に隠しドアがあることを発見する。
さっそく、隠しドアを開いて見る。
すると、その先には小さな小部屋があり、そこにあるベッドの上に赤ん坊が寝かせられていた。
 
赤ん坊はかなり衰弱していて、老夫婦は慌てて救急車を呼んだ。
 
なんとか赤ん坊は一命を取り留めた。
警察は、おそらく前の持ち主が赤ん坊をその部屋に隠して、家を出たのではないかと推測した。
もちろん、前の家の持ち主の足取りは掴めず、警察も困り果てていた。
 
老夫婦は、これも何かの縁だと思い、その赤ん坊を養子として迎え、育てることにしたのだった。
 
終わり。

■解説

老夫婦はこの家に引っ越してきてから1ヶ月以上が経っている。
赤ん坊が1ヶ月間、放置されたままで生きていられるのは難しい。
そして、発見された時、赤ん坊はかなり衰弱していた。
そんな状態で夜な夜な泣き続けられるわけがない。
では、赤ん坊は一体何者で、夜な夜な泣いていた声は一体、なんだったのだろうか。

 

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