本編
住職の元に、ある母娘が相談にやってきた。
なんでも娘が悪霊に憑りつかれたのだという。
さっそく住職は娘に憑りついている悪霊を見る。
すると、この悪霊は強い怨念を持って娘に憑りついていることがわかった。
母親は娘のことが、自分の命よりも大切だと話し、どんなことをしてでも娘を助けたいのだと住職に訴えてきた。
そこで住職は恨みを解くことができるとされるお経を唱えた。
そのお経のおかげで、娘に対する悪霊の恨みは解くことに成功した。
だが、その数日後、娘は悪霊によって憑り殺されてしまった。
終わり。
■解説
娘に対する恨みは、お経によって解くことができている。
では、なぜ娘は悪霊に殺されたのか?
それは悪霊の恨みが、娘に対してではなく母親に向けられていたからである。
つまり悪霊は母親に恨みを持ち、自分の命よりも大切な娘の方に憑りつき、殺したというわけである。