■本編
その女の子は他人が持っているものを、異常に欲しがる性格だった。
一度、欲しいと思ったものはどんなことをしてでも、手に入れようとして、何度か問題にもなったことがあるほどだ。
あるとき、その女の子は祖父が入院している病院にお見舞いに行った際、違う病室の女の子が持っているぬいぐるみを見て、欲しいと思ってしまった。
女の子はすぐに、その子にぬいぐるみを譲って欲しいと頼み込むが、その子は両親が誕生日に買ってくれたものだと言って、拒否されてしまう。
それでも諦めきれず、女の子はその子のところに通い、何度もお願いした。
すると、その子はあるものを交換してくれるなら、譲ってくれると言った。
女の子はよくわからなかったが、了承した。
交換して数ヶ月後。
女の子は息を引き取った。
終わり。
■解説
女の子が交換したのは内臓。
ぬいぐるみを持った女の子は、祖父が入院した病院で会っている。
何度もその子のところに通っていることから、その子はずっと入院しているということがわかる。
ぬいぐるみを持つ女の子はドナーをずっと待っていたのかもしれない。