■本編
僕のお母さんは周りから過保護って言われている。
よくわからないけど、みんなそういうのだから、そうなんだろう。
この前も、初めて僕が学校で怪我したとき、お母さんが慌てて学校に来た。
僕の体を見て、怪我が大きくないことを見て、ホッとしていた。
そして、お母さんは先生に「この子はいつもボーっとしてて、家でもすぐ怪我をするから気を付けて見ててほしい」と頼んでいた。
お母さんの言う通り、僕はいつも怪我をしてばかりいる。
そのせいで体中傷だらけだ。
先生は僕に「いいお母さんだね」と言っていた。
普通は小学3年生にもなれば、こんな傷くらいじゃ、親は学校なんかには来ないものらしい。
多少は過保護だけど、とってもいいお母さんだから、大事にしなさいとも言われた。
そのことがあってから、先生はよく僕を気にかけてくれるようになった。
体育のときも、無理するなと言われるし、先生の手伝いとかもしないでいいと言われる。
クラスの人には少しズルいと言われるけど、こうやって先生に気にかけてくれるのは嬉しかった。
さてと、今日も学校が終わったらまっすぐ帰ろう。
お母さんが待ってるから。
終わり。
■解説
語り部の母親は、語り部が家でいつも怪我ばかりしていると言っている。
現に、語り部の体も傷だらけだ。
だが、学校で怪我をしたのは『3年生』までしていなかった。
(今回の怪我が初めてだと言っている)
ということは、語り部は母親が言うほど、「ボーっとしている」わけではない。
つまり、語り部は日常的に語り部を虐待している。
そして、語り部は一度も母親のことをいい親だと言っていない。