■本編
とある国の話。
その町では疫病が流行り、人口の3割が亡くなった。
死体は放置するとそこから感染が広がるということで、国が死体置き場を用意し、亡くなった人間はそこに集められる。
集められた死体は、流れ作業的に火葬場へと運ばれて火葬されていく。
それはあまりにも膨大な数のため、役所の人間は忙しさに疲弊し、過労で倒れる者まで出てきた。
中にはサボりや居眠りをする者も後を絶たなかった。
そんな中、ようやく疫病も収まり、町に平穏が訪れた。
国は役所の人間の功労を称え、全員にボーナスを出すことにした。
しかし、調べてみると役人の人間が10名以上、失踪していることがわかった。
終わり。
■解説
実際に失踪した人間もいるが、死体置き場で「居眠り」をして、生きたまま燃やされた人間も存在する。
この頃の役所の人間はみんな疲れきっていて、運ばれても起きないほど熟睡していた人間もいたはずである。