■本編
人魚が生息するという伝説がある島。
その島には、昔、人魚を捕まえ、その肉を食べたという人間がいるのだという。
人魚の伝説を聞きつけ、人魚を捕まえようと人間達が殺到し、海の中を荒らしまわった。
海中深くに住む人魚たちは人間達に捕まることはなかったが、人間達が海の生態系を乱したせいで食料がなくなり、人魚たちは絶滅へと向かっていた。
そして、ついに人魚は最後の1人となった。
このままでは死んでしまう。
そう考えた人魚はある人間に頼ることにした。
それは遥か昔、人魚の肉を食べ、不老不死になった男だ。
男は既に人魚の肉を食べて不老不死になっているので、襲われることもないと考えたからだ。
また、男は不老不死ということで、人間の中でも孤立して生きている。
1人という『孤独』というものを、その男なら共感してくれるだろうとも考えた。
そして、人魚は不老不死の男の所へと赴いた。
しかし、男は人魚を見るなり、襲い掛かって人魚を殺してしまった。
終わり。
■解説
男は不老不死になり、そのことを誰にも理解されず孤独だった。
だから、男は『不老不死の人間を増やすため』に人魚を殺し、肉をはぎ取ったのだ。