【洒落怖】コンビニバイト

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これは僕が大学の時の話。

初めてのアルバイトってことで、コンビニを選んだ。
その当時はコンビニバイトが最初のバイトとしては、始めやすいって風潮だったから。

今考えると、全然、そんなことないんだけどね。
普通の飲食店より、覚えることが多いと思うし。

でも、そんなコンビニのバイトでも、深夜は暇で、客が来るまでは漫画でも読んでればいいなんて聞いてたから、楽して稼ぎたいと言う僕にピッタリだと思って、必死になって深夜のコンビニのバイトを探した。

そんな噂が出回っていたから、当然、競争率も高かった。
見つけたらすぐに応募したけど、そのたびに落ちていた。

10回くらい落ちたとき、正直、諦めようと思った。
これじゃ、いつまで経っても稼げないから。

それで、違うアルバイトを探していると、偶然、深夜のアルバイトの募集を見つけた。
しかも、募集を始めて1ヶ月くらい経っていて、電話をしてみるとまだ募集中とのことだった。
だから、すぐに応募してみたら、即決だった。

深夜とはいえ、慣れるまでは何かと大変だった。
暇な時間になるまでは、本当に忙しい。
ひっきりなしに客が来る上に、品出しとかもしなくちゃならない。

でも深夜1時を過ぎるとピタリと客が来なくなる。

そうなれば、本当に暇でやることがない。
噂で聞いていた通り、雑誌でも読みながら時間を潰していた。

最初はこんなんでお金がもらえるなんてラッキーと思っていたけど、逆に暇すぎて辛かった。
とにかく、時間が経つのが遅い。
だからと言って、寝たりすることもできないし、店から出るわけにもいかない。

正直、どうやって時間を潰すかという方法を考えるのが辛いくらいだった。

そんなるときだった。
深夜2時を回ったときだ。
ふと、1人の客が店に入ってきた。

若い男だ。
やせ細っていて、顔色が悪い。

弁当を2つとお茶をかごに入れて、レジに来た。

ぼくはいつも通り、弁当を温めるかと聞くと、そのままでいいと言われたから、そのまま会計を進める。
合計金額を言っても、その客は財布を出そうとしない。

なんか怪しいと思いながらも、僕は弁当とお茶を袋に入れた。

その客はその袋を手に取り、そのまま外に出て行った。

お金を払わずに。

その動作があまりにも自然というか当然というような感じだったから、僕は一瞬、何が起こったかわからなかった。

その客が出て行って3分くらいしてから慌てて、後を追って外に出てみたが、その客はもうどこにもいなかった。

僕はすぐに店長に電話した。
そしたら、「あー、やっぱり駄目だったか。でも気にしなくていいから」なんて言われた。

僕は万引きだと言っても、気にしなくていいし、警察とかにも言わなくていいと言われた。

そして、その日の朝、店長が出勤してきたので、どういうことかと聞いてみた。
だけど、店長は曖昧に濁すだけで、全然詳しいことを話してくれなかった。

だた、ずっと「気にしなくていいから。警察とかにも連絡しないでね」と言うだけだ。

その日から、その客が来るようになった。
時間は決まって、深夜2時過ぎ。
頻度は3日に1回くらいだろうか。

別に曜日とかは決まってなかった。
2日連続で来ることもあったし、1週間来なかった週もあった。
だから、平均すると、大体3日に1回くらいだ。

買うものは毎回同じで、弁当2つとお茶だ。
弁当も同じ弁当を買っていく。

そして、毎回、堂々と万引きしていく。

しかも毎回、ちゃんとレジを通すのに、金は払わない。
それが当たり前かのように持っていく。
それなのに店長は何も言わないどころか、警察に言うこともない。

あまりにもおかしい状況だったから、友達に言ってみた。

そしたら「そいつ幽霊なんじゃねーの?」なんて言われた。

その時はなるほど、と思った。
幽霊なら警察に言っても仕方ないし、気にするなと言った理由もわかる。

でも、僕は霊感なんてないし、不気味とは言ってもちゃんとした人間で、幽霊には見えなかった。

実際、商品の数も減ってるし、防犯カメラにも写っている。
他の客にも見えてそうだった。

どうしても、あの客が何なんか知りたくて、色々と店長から聞き出そうとした。
でも、毎回「気にするな、警察には言わなくていい」としか言われない。

そうしているうちに、真実を知りたい欲もなくなり、淡々と接客するようになった。

そしてそのまま大学卒業まで、そのコンビニでアルバイトをしていた。

4年も務めてたから、割と店長とも仲良くはなったけど、結局はあの客は何なのかは教えてくれなかった。

今でもあの客は、あのコンビニに来ているんだろうか。
そして、あの客は一体、何だったのか。

時々、思い出しては、あれは何だったんだろうと気になることを繰り返している。