本編
男は臓器ブローカーをして生きてきた。
依頼をされると、その注文に当てはまる人間を探し、誘拐して売り渡す。
特に、肉体が大人と同等にまで成熟した15歳以上の子供は、海外の富豪から最も高値で注文が入る、極上の商品だった。
そんなことを繰り返してきた。
もちろん、男はそれが許されない犯罪であり、自分はろくな死に方をしないということはわかっていた。
だが、男には金が必要だった。
金のためなら自分の命さえも売り渡してもいいとさえ思うほどだ。
そんな非人道な男にも、たった一人の娘がいた。
男は娘をとても可愛がり、それは目に入れても痛くないようであった。
そんな娘が、ある日、誘拐されてしまう。
当然、男には敵が多い。
恨んでいる人間も数知れない。
犯罪者である男は警察を頼ることはできない。
なので、男は自力で犯人を見つけるしかなかった。
絶望的な状況だが、絶対に諦めるわけにはいかない。
男は執念で、、犯人を見つけ、無事に娘を救出することができた。
その際、男は左腕と右目を失うことになったが、そんなことはどうでもよかった。
娘に傷一つないことに安堵した。
そして、それから2年後。
娘はスクスクと成長して15歳になり、男のもとから消える。
そして、男は新しく養女を引き取った。
終わり。
■解説
男は『新しく』養女を引き取っている。
ということは娘も養女だったことになる。
娘が男のもとから消えたのは、依頼人に渡したから。
つまり、男は元々、臓器移植のために養女を引き取り、成長するまで待っていたということになる。
