本編
最近、お気に入りのカフェのお店がある。
ここのお店のコーヒーのブレンドが最高で、一度飲んでから、すっかりハマってしまった。
結構、コーヒーにはこだわりがあって、自分でも淹れたりするくらいだ。
以前、店長にブレンドの内容をそれとなく聞いてみたけど、教えてくれなかった。
まあ、当然だろうけど。
なので、ほぼ毎日、このカフェに通っている。
2人掛けのテラス席に座って、コーヒーを飲みながら夜の街並みを見るのが日課だ。
このお店は街外れにあるから、そこまでお客がいないところが、さらにいい。
若者もほとんどいないから、通りも落ち着いた雰囲気になっている。
その中で飲むコーヒーは本当に最高だ。
しかも、このお店は結構、遅くまでやっている。
なんと深夜2時までやっているのだ。
ホント、私のためにあるようなカフェと言っていい。
あと、外せないのが、店員に一人、綺麗な女性がいることだ。
もちろん、その人がいなかったとしても、このカフェには通っていたと思う。
でも、頻度は確実に下がっていたはずだ。
その人に会いたいというのも、ここに通っている理由の一つと言ってもいいだろう。
……不純な理由だけど、そういうのも店選びの際には重要になってくる。
実は以前、その人と何とか連絡先の交換ができないか頑張ってみたけど、ダメだった。
まったく相手にされなかった。
最近では話しかけても無視されるくらいになってしまった。
その人は綺麗で、実に私好みなんだけれど、愛想が悪いのが玉に瑕だ。
まあ、そんなところも好みなのだが。
とにかく、ここのカフェで過ごすのが、私にとって至高の時間だった。
だが、それも、最近、崩れてきた。
なぜならお店がSNSで紹介されたらしく、そこから客が来るようになったのだ。
今までは空席の方が目立っていたくらいなのに、今では客が並ぶくらいになっている。
だから、以前のように落ち着いた雰囲気の中で過ごすことはできない。
とはいえ、通うのをやめるということはないが。
今日もいつものテラス席に座っていたら、私のお気に入りの店員がカップル客を案内してきた。
いや、せめて、「相席いいですか?」くらい聞いてほしかった。
それに、後ろの席はまだ空いてるのに、わざわざ私の席に案内するなんて。
でも、まあ、そんな愛想がないところも、お気に入りなんだが。
終わり。
■解説
語り部はいつも『2人掛けのテラス席』に座っている。
それなのに、『カップル客』を案内するのはおかしい。
(3人になってしまい、席に座れない)
さらに、語り部がお気に入りの店員に『話しかけても無視される』と言っている。
ここも、店員が客を無視するのはおかしい。
つまり、語り部は幽霊で、店員に認識されていないということになる。

