本編
俺には何人かスゲー仲がいい友達がいる。
だけど、その中の一人にやたらと俺について回る奴がいる。
最初の頃はそこまで気にしてなかったけど、あまりにも頻繁についてくるから少し嫌気がさしてきた。
周りも俺とそいつのことを『金魚』と『ふん』と呼んでいる。
嫌なあだ名だ。
そいつのことが気持ち悪くなってきたから、俺はそいつと縁を切ることにした。
もう俺と一緒に来るなと言ってやった。
そいつは何を言われたのかわかないというような顔をして、一言だけ「わかった」と答えた。
その日からそいつは俺の後をついてくることはなくなった。
なんとも解放感がある。
やっぱりあいつのことは邪魔だったんだと思う。
一人で街中に買い物に行くと、お店でばったり友達と会った。
そしてその友達は俺を見てこう言った。
「あれ? 金魚は一緒じゃないの?」
終わり。
■解説
周りから金魚のふんだと思われていたのは語り部の方だった。