フードコート

意味が分かると怖い話

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本編

久しぶりの大型連休。
連休が始まる前は、何をしようか楽しみにしていたが、いざ、始まってみると何もすることがない。

2日ほどはダラダラと家で寝て過ごしてしまった。
このままだと何もしないで連休が終わってしまう。

なんとなくそれは嫌だったので、適当に出かけることにした。

とはいえ、遠出しようと思っても、今から宿なんて取れるわけがないし、面倒くさい。
だから、ショッピングモールに行くことにした。
ショッピングモールなら、ブラブラ歩くだけでも、楽しいと思ったからだ。

行ってみると、結構、人が多くて賑わっていた。
その雰囲気だけで、なんだかテンションが上がる。

家族連れが多く、子供もバタバタと走り回っていた。
何回かぶつかりそうになったりもする。

危ないなー。
親は何やってんだよ。

なんて思ってたら、その子供はスマホを弄っている女の方へ走っていった。
どうやら、スマホに夢中で子供から目を話しているみたいだ。

親として終わってる。
こんな人が賑わっていて、広いところで子供から目を離すなんて。

「すみません。この子、見かけませんでしたか?」

親を睨んでいたら、30代中盤くらいの女性から声をかけられて、スマホを見せられた。

「いえ、見てません」

そう言って、さっさとその場を後にした。

どうせ、あの人もスマホでも見てた隙に、子供が迷子になったんだろう。
自業自得だ。
こんな人間が親なんて、子供が可哀そうだな。

すっかりテンションが下がってしまった。
帰ろうと思ったら、急にお腹が減ってきた。

何か食べて帰ろうかと思って、飲食店を回ってみたけど、どこも列ができている。

一人で食べるのに、並ぶのもどうかと思う。

だから、一階に降りて、フードコートで済ませることにした。
空いているお店でらーめんを注文して、番号札を受け取る。

空いている席に座って待っていると、後ろから家族連れの子供の声が聞こえてきた。

「私、フライドポテト嫌い」
「そっか。ごめんね。違うの買って来るね」

40歳くらいの女の人がお店の方へ走っていく。

ちらりと後ろを見ると、女の人と同じくらいの年の男の人が、女の子の前に置いてあったフライドポテトを自分の前に持って来て、食べ始める。
女の子は6歳くらいだろうか。
なんだか、生意気そうな顔をしている。

こんな場所で好き嫌いを言って、わがままを言っている。
親も、それに合わせて、新しいものを買いに行くなんて、甘やかしだ。
そんなことだから、子供がさらにわがままになる。

まったく。ろくな家族がいないな。

なんてことを思っていると、番号札から呼び出しの音が鳴った。

終わり。

■解説

6歳の子供の嫌いなものを、両親が把握していないものだろうか?
そして、語り部は『子供を探している女性』に声をかけられている。
もしかすると、その子供は、40代の男女に誘拐されているのかもしれない。