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本編
家に帰ったら、郵便受けに回覧板が刺さっていた。
回覧板なんて見たのは30年ぶりくらいだろうか。
内容は4日後にお葬式があるから、準備をしておいて欲しいというものだった。
喪服なんてあったかな?
かなり昔の物だから、もう入るかわからない。
あれから、結構太ったし。
念のため、着てみたら、案の定入らない。
次の日。
喪服を買いに行った。
痛い出費だがしょうがない。
準備ができたと満足していたら、回覧板を次の人に回すのを忘れていたことに気付いた。
次の日に慌てて持っていくと、隣の人も喪服があったかしらと心配そうにしている。
そして、さらに隣の人はこう言った。
「昨日に亡くなった田中さんとは仲がよかったから、行かないわけにもいかないのよね」
終わり。
■解説
回覧板が来たのは、2日前である。
そして、亡くなった田中さんが亡くなったのは昨日である。
そうすると、回覧板を書いた人は、田中さんが亡くなることを知っていることになる。

