本編
僕はいつもタイミングが悪い。
大事なところで風邪をひく。
テスト、運動会、学芸会、修学旅行。
そのせいで、学校行事で楽しい思い出がない。
小学校と中学校のときは修学旅行も休んだから、修学旅行の写真に僕が写っていない。
凄く寂しい。
思い出がないことと、こうやって写真として残らないのが悔しい。
だから高校では体調に気を付けて過ごしてたのにダメだった。
修学旅行の3日前に40度の熱が出た。
2日入院して、点滴までうって貰ったのに治らなかった。
僕は反省した。
少しくらいの対策だとダメだ。
だから、もうこれでもかってくらい調べて、風邪をひかないように対策をした。
修学旅行の3日前から、風邪をひいてないのに学校を休んだくらいだ。
その甲斐あって、僕はようやく修学旅行に行くことができた。
みんなと楽しい思い出を作って、写真もたくさん写った。
そして卒業アルバムにもその写真が載った。
凄く嬉しい。
この卒業アルバムは一生大事にしよう。
終わり。
■解説
語り部は高校の修学旅行を休んでいる。
そして大学には修学旅行も卒業アルバムもない。
それなのに修学旅行に参加している。
つまり語り部は留年していることになる。