自己暗示

意味が分かると怖い話

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本編

僕は昔から、勉強も運動も、人と話すことも苦手だった。
そのせいで、小学校ではイジメられている。
 
僕をイジメているのはカンちゃんっていう、クラス委員長だ。
カンちゃんは勉強も出来て、運動神経も抜群で、クラスのみんなや先生からも人気がある。
 
だけど、そんなカンちゃんは陰で僕をイジメているのだ。
 
一回、先生に相談してみたけど、全然信じてもらえない。
カンちゃんのせいで、毎日が地獄だ。
本当に殺してやりたいと思っている。
でも、僕なんかがカンちゃんに勝てるわけがない。
だから、我慢するしかないんだ。
 
そんなあるとき、僕はカンちゃんに階段の上から突き落とされて腕の骨を折った。
 
理由を先生に聞かれて、カンちゃんに突き落とされたと言っても信じてもらえなかったし、結局、僕の不注意での事故ということになった。
 
もう学校に行くのが嫌だ。
 
僕はお父さんに理由を話して、学校を休みたいと言った。
そしたら、お父さんはあるおまじないを教えてくれた。
 
それは鏡の前で、写っている自分に「大丈夫。できるんだ」と言い聞かせるというものだ。
 
なんでも、自己暗示とかいうもので、できると自分に言い聞かせることで本当にできるようになるらしい。
 
嘘だと思ったけど、僕は今の自分を変えたくて、毎日そのおまじないをやった。
 
すると不思議なことに、僕の勉強と体育の成績が上がってきた。
人と話すことも平気になって、みんなからも「明るくなった」と言われた。
 
僕は嬉しくなって、さらに鏡の前の僕に言い聞かせた。
 
そして、僕はついに一番やりたいことができた。
 
それからは、僕は虐められなくなるはずだ。
 
でも、お父さんとお母さんが泣いている。
なんでだろう?
 
終わり。

■解説

語り部が一番やりたかったことは「カンちゃんを殺す」ことである。
自己暗示によって、できないと思っていたことができるようになり、語り部はカンちゃんを殺すことができた。
そのため、両親は悲しんだのである。

 

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動画

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