牛丼

意味が分かると怖い話

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■本編

昔さ、国内外で狂牛病が流行ったことがあったんだよね。
 
そのときは当たり前だけど、チェーン店でも牛丼を出さなくなってさ。
牛丼好きな俺からしたら、死活問題だったわけ。
 
でも、俺の家の近くにある、個人でやって店が牛丼を出し続けてくれたんだよね。
 
店の親父は「安く手に入れることができたんだよ」と笑ってたっけ。
 
あんな状態で、牛肉を安く仕入れるなんて、あの店の親父はスゲーよ。
きっと、顔が広いんだろうな。
 
で、この前、久々に行ってみたら、その店、潰れてたんだよね。
 
はあ……。
これも最近の不景気のせいかな。
 
また、あの親父の牛丼、食べたいな。
 
終わり。

■解説

チェーン店でも牛肉を手に入れられないのに、個人店が安く手に入れられるのはおかしい。
もしかすると、廃棄するはずの肉を買っていた可能性がある。
そして、それが見つかり、店は潰れたのかもしれない。

 

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