■本編
私は今まで、立てた目標をすべて達成してきた。
勉強や部活の成績、高校や大学受験、就職活動。
そして、会社での成績。
それができたのは、あるコツのおかげだ。
それはご褒美ランチ。
つまりは自分への特別なご褒美ってやつ。
ダイエット中だろうと、お金がピンチだろうと、時間がないだろうと絶対に外さない。
この日だけは普段は食べられない、最高のご馳走を一人で食べるのだ。
正直に言って、このご褒美ランチがなかったら、今の私はいないだろう。
逆に言うと、このご褒美ランチのために生きているって言っても過言じゃないかもしれない。
そして今日、今期、私が自分の中で設定した営業成績をクリアした。
これで私の営業成績は会社でトップになったわけだ。
私は胸を張ってご褒美ランチをしてもいいだろう。
次の日、私は有休を取得した。
ご褒美ランチを堪能するためだ。
準備をしてから家を出る。
待ち合わせ場所にいくと、既に相手が待っていた。
高校時代の後輩だ。
卒業してからも、こうやって時々会っている。
「ごめん、お待たせ」
「いえ、私も今来たところですよ」
本当に可愛らしい子だ。
この日のためにずっと前から準備を進めてきた。
今日は最高のご褒美ランチになりそうだ。
終わり。
■解説
語り部は、ご褒美ランチは一人で食べると言っている。
では、なぜ、後輩を呼んだのか。
それは一緒に食べるために呼んだのではなく、食材として呼んだのである。