連休中に高校の頃の友達が3人、家に泊まりに来た。
久しぶりにみんなに会って、めちゃめちゃテンションが上がった。
最近はようやく暖かくなったということで、深夜のノリで軽自動車でドライブに行くことにした。
最初は意味もなく、道を適当に走るだけだったが、友達の一人が急に怖い話をし始める。
昔から話が上手かったやつで、みんな、その話に聞き入っていた。
そしたら他の1人が近くに幽霊が出る山があるって言い出した。
カーブに子供が立っているんだそうだ。
テンションが高かったこともあって、俺たちはそこに肝試しがてら行ってみることにする。
確かに全然車も通らないし、道もあまり綺麗じゃない。
深夜ってこともあって、なかなか雰囲気があった。
頂上まで行ったが特に何もなく、こんなものだよな、となってさっさと帰ることにした。
その帰り道だった。
カーブを曲がる際に道に子供が立っているのを見つけた。
出たと思って、俺たちは無視した。
こんな時間に子供がこんなところにいるわけがない。
幽霊を見たとなって、みんなのテンションが上がって、戻って見に行こうなんていう奴もいた。
だけど、その次のカーブで、俺も含めてみんな青ざめた。
またカーブの曲がるところで子供が立っていた。
無視をして進むと、その次のカーブでも子供が立っている。
みんなビビりまくっていて、もっとスピードを上げて、早く帰ろうと言い出す。
でも、こんな暗がりでスピードを出すわけにはいかない。
そしたら一人が、もしかしてついてきてるんじゃないかって言い出した。
その言葉を聞いてゾッとした。
まさか、乗り込んでないだろうな。
ちらりとバックミラーで後部座席を見る。
なにも映っていない。
よかった。
さすがに乗り込んではきてなかったみたいだ。
終わり。
■解説
友達は3人遊びに来ていて、語り部を入れると4人になる。
そして、語り部たちは軽自動車でドライブに行っている。
ということは車の中は満員になっているはずである。
それなのにバックミラーで後部座席を見ても、何も映っていないと言っている。
つまり、後部座席に乗っている友達が消えてしまっている。