満員電車

意味が分かると怖い話

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本編

今日は親せきのお葬式があったので帰りが遅くなってしまった。
電車で喪服っていうのも、なんだか目立ってる感じがして嫌だ。
 
早く帰って寝たい。
息子も疲れたのか、ウトウトしている。
本当はおんぶしてあげたいけど、電車の中だからできない。
だから、しっかりと手を繋いで寄りかからせるようにして立って貰っている。
 
それにしても電車の中が混んでいる。
満員電車っていってもいいくらいだ。
この時間はいつも混むんだろうか。
 
そうえば、明日はママ友達と出かける約束をしてたんだった。
こんなことなら断っておけばよかった。
 
そんなことをぼんやりと考えていたら、窓の外に息子が立っているのが見えた。
 
やばい。
考え事してたら、降りる駅になってたのか。
 
私は慌てて手を引いて電車から出た。
 
終わり。

■解説

語り部はしっかりと手を繋いでいる。
それなのに、満員電車から先に息子が降りているのはおかしい。
窓から見えたむすこは本物なのだろうか。