指切り

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本編

小学生のカンナとタクは将来、結婚しようと言い合っていた。
 
そんなある日、タクが引っ越すことになった。
泣きじゃくるカンナに、タクは「20歳になったら戻ってくる」と約束をする。
 
するとカンナは「指切りできる?」と聞いた。
一瞬、戸惑ったタクだったが、カンナへの想いは本物だった。
 
だからタクは指切りをした。
 
月日が流れ、カンナは今年20歳になる。
 
カンナはタクとの約束を覚えているし、心待ちにしている。
 
机の引き出しを開けるカンナ。
 
小指をジッと見つめる。
そして、タクが戻ってくることを夢見て待つのだった。
 
終わり。

■解説

「指切り」は、江戸時代に遊女が好意を抱く客に小指を切断して誓約の証として渡したことに由来している。
そして、カンナは机の引き出しの中に入っている小指を見ている。
つまり、カンナは約束の証として、タクの小指を切断して持っているのである。