意味が分かると怖い話 解説付き Part681~690

意味が分かると怖い話

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オオカミ少年

羊飼いの少年はイタズラ好きで、いつも嘘を付いている。
今日もオオカミが出たと言って、大声をあげていた。
そんな嘘にいつも騙される男がいた。

どうせ嘘だろうとは思うが、確認に行く。
そして、また嘘だとわかり大いに腹を立てる。

次の日。
またも少年はオオカミが出たと大声を上げた。
また嘘かと思いながらも男は少年の元へと向かう。
すると今度は嘘ではなく、本当にオオカミが出ていた。

少年は男を見て懇願する。
どうか村の人たちにオオカミが出たと言って助けを呼んでほしいと。
自分が言っても嘘だと思われるから、男にお願いしたのだ。
男は頷き、村へと走った。

だが、いつまで経っても村人の助けは来ず、少年はオオカミに襲われて死んでしまった。

終わり。

解説

男はいつもの仕返しに、少年を見捨てた。

 

整形

女は幼いころからずっと自分の顔にコンプレックスを持っていた。
そして、高校生の頃にテレビで見た、ある女優に憧れる。
まさに、理想の顔。
 
女はずっとその女優のような顔になりたかった。
そんな女は成長し、働くようになるとお金を貯めて顔を整形することを決意した。
 
主治医にどんな顔になりたいかと言われ、女は憧れの女優の名前を言った。
どの頃の顔になりたいかと聞かれ、女は適当にその女優が16歳のころのような顔がいいと答える。
 
無事に手術が終わると、女が言った希望通りの顔になった。
だが、女は変わった自分の顔を見てがっかりしたが、もっとその女優のことが好きになった。
 
終わり。

■解説

その女優も整形手術を受けていた。
16歳はまだ手術を受ける前だった。
そして、その女性も顔にコンプレックスがあったことを知り、共感してさらに好きになった。

 

誘拐犯

最近、あるデパートで子供の連れ去り事件が起きている。
そのことで、その警察官はデパート内をパトロールしていた。
 
すると一人の女の子が警察官の足に抱き着いてきた。
最初は迷子かと思ったが、女の子がおびえた声で助けてと一言だけつぶやいた。
そのことで警察官はその女の子が誘拐犯に連れ去れようとしていると考えた。
 
女の子から話を聞こうとしたとき、一人の男が走ってきた。
男はその女の子のことを娘だと話す。
だが、警察官はそれは嘘だと思い、男を警察署に連行して取り調べを行った。
 
だが、女の子はその男の子供だと証明され、警察官は謝罪して、男と女の子を帰した。
 
次の日。
その女の子が殺されたと連絡が入った。
 
終わり。

■解説

女の子は父親に虐待を受けていた。
誘拐犯ではなく、実の父親によって殺されたのである。

 

檀家

私は去年、仕事の関係でちょっと田舎の町に引っ越してきた。
 
最初は何もない町で嫌気がさしていたけど、元々出かけるタイプじゃないし、休みも基本は家にいる私にとっては別に関係ないことだと気づいた。
今のご時世、ネット環境があれば問題ない。
欲しいものがあればネットで買えばいいのだ。
 
だから、特に不自由はしていなかったのだけど、一つだけ気がかりというか面倒くさいことがある。
 
それは周りの人が、ある寺の檀家に入るように言ってくるのだ。
催事のときなんかは檀家に入っていないと大変だと言うけど、そもそも、一人暮らしだし、実家は別の町だし、知り合いもいないので結婚式や葬式だって呼ばれないはずだ。
呼ばれるとしたら会社絡みだと思うし、その場合は会社の方で取り仕切ってくれるから、私には関係ない。
 
檀家に入ったら、毎月、会費を払わないといけないし、寺を建て替えるとかなったら、さらにお布施を取られる。
いいことなんてない。
だから、毎回、断固として断っているのだ。
 
別に断ったからといって、嫌がらせをされたりはしないけど、毎週のように勧誘されるのは本当にうんざりする。
一回、入らないといったなら、もう放っておいてほしいのに。
 
まあ、会費といっても月々2000円とかだし、そうそう寺を建て替えるなんてことはないから、入ってしまったほうが面倒がなくていいのかもしれない。
けど、なんか負けた気になるので、半分、意地になって断っている。
 
そうしているうちに1年が経ち、今年こそは勧誘をやめてもらえるだろうかと思っていたころだった。
久しぶりに、会社からボーナスが出て浮かれた私は、不覚にも泥酔するまで酒を飲んでしまった。
その帰り道。
私はよろけて、道の脇にあったお地蔵さんを倒してしまったのだ。
 
倒れた拍子に、首が取れてしまう。
焦った私は慌てて走って逃げた。
 
お地蔵さんの噂はすぐに町の中に広がったが、私が倒したとまでは噂になっていない。
結構、夜遅かったせいもあり、誰にも見られていなかったのだと思う。
 
私はホッと胸を撫でおろした。
だけど、それから1週間が経った頃だった。
 
夜に寝ていると、どこからか不気味な声が聞こえるようになった。
家の物が勝手に動いたり、テレビが勝手についたり、窓に内側から血ような手形がついてたりと、不可解なことが起こり始めた。
 
でも、こんなことを町の人に相談するわけにもいかない。
だから、私は自分で調べて、霊能力者に来てもらった。
 
見てもらうと、確かに、うちは呪われているのだと言う。
その呪いを解けないか相談したけど、この呪いは複雑でかけた人間にしか解けないらしい。
それは何人かの霊能力者に見てもらったときに同じことを言われたので、間違いないだろう。
 
どうしようもなく追い詰められて、私はうつ病になりかけた。
仕事にもまったく手がつかない。
会社を辞めて引っ越すしかない。
 
そう思っている時だった。
家にお坊さんがやってきた。
近くのお寺の住職らしい。
 
お祓いしましょうと言ってくれた住職。
でも、私は檀家になってないからというと、困っている人がいるのに、檀家とか関係ありませんと言ってくれた。
 
私は泣きながら、住職にお願いした。
すると住職は1時間ほど家でお経を唱えてくれた。
 
その効果は絶大で、その日からピタリと不可解なことは起こらなくなった。
 
私は住職に感謝し、お寺の檀家に入った。
檀家制度なんて嫌っていたけど、人の繋がりは素晴らしいものだと知ることができた。
 
終わり。

■解説

霊能力者は「この呪いは複雑でかけた人間にしか解けない」と言っている。
それではなぜ、住職はお祓いできたのか。
つまり、町の人間とグルになって、語り部に呪いをかけたのは住職ということになる。

 

フェンス

僕はずっと虐められていた。
保育所の時からずっと。
 
僕を虐めてくるのは、たんのくんっていう小さな男の子だ。
僕より1歳年下で、僕よりも体が小さい。
だから僕がたんのくんに虐められているなんて周りは知らないし、僕も恥ずかしくて誰にも言えなかった。
 
でも、それがダメだった。
恥ずかしくても、みじめでも誰かに相談するべきだったんだ。
 
たんのくんは僕が誰にも言わないことをいいことに、虐めがドンドン酷くなった。
毎日が地獄だった。
もう生きているのが嫌になるくらい。
だから僕は決心した。
 
たんのくんから逃げよう。
 
みんなに笑われたって構わない。
お父さんやお母さんが悲しむかもしれないけど、僕がつらいときに何もしてくれなかったんだからお互い様だ。
 
僕はたんのくんが追ってこれないところへ逃げた。
 
逃げたはずだったんだ。
 
でも、たんのくんは僕を見つけ出した。
そして、僕をまた虐めようとしている。
 
僕はまた逃げるしかなかった。
だけど、どんなにスピードを出してもたんのくんが追いかけてくる。
 
このままじゃ捕まっちゃう。

そう考えていると、高いフェンスが見えた。
僕はチャンスだと思った。
フェンスに向かい、素早くフェンスを通り抜けた。
振り向くと、やっぱりたんのくんは追って来ない。
フェンスの前で立ち止まっている。 
 
助かった。
 
でも、またいつたんのくんがやってくるかわからない。
だから僕はもっと遠くへ逃げることにした。
 
終わり。

■解説

虐めている方のたんのは、語り部よりも体は小さいと言っている。
では、なぜ、たんのはフェンスを越えられなかったのか。
また、語り部はフェンスを通り抜けたと言っている。
語り部よりも体の小さいたんのが、通り抜けられなかったということは穴などは開いていないと考えられる。
では、どうやって語り部はフェンスを通り抜けたのか。
つまり、語り部は死んでいて幽霊になっている。
逃げたというのは自分で死を選んだことを意味する。
そして、さらに遠くへ逃げるというのは成仏してあの世に行くことである。

 

首狩り武者の伝説

 

私が住む村には首狩り武者が出るという噂がある。
 
戦国時代の真冬の時期に、戦に負けた武者がこの村に隠れ住んでいたところを、村人に見つかって斬首されたというもので、その武者が死んだ後に村人たちを復讐するという話らしい。
その話では、武者は極寒の中、食べ物もなくて、見つかった時にはすでに瀕死の状態だったみたいだ。
 
まあ、どうせ、その噂自体が本当かどうかも怪しいんだけど。
 
とにかく、村では冬になると首狩り武者に首を切られないように、マフラーをするというのが習わしなのだ。
 
言ってしまえば、寒い中マフラーもしないような軽装だと風邪をひくという戒めなんだと思う。
少し、大げさで怖がらせすぎだとは思うけど。
 
ただ、その噂のおかげで、私も小さい頃は冬になるとマフラーをしていたおかげで風邪をひいたことはない。
それは周りの子供たちも一緒で、冬に風邪をひく子は少なかった覚えがある。
 
そう考えると、こういう噂も悪くないのかも。
 
そして、風邪をひかない以外にも、この噂にはある利点がある。
それはこの噂を理由に堂々と、マフラーをプレゼントできるということだ。
 
中学生くらいになると、雪が降り始めるころに好きな人にマフラーを贈るというのが一種のイベントみたくなっている。
 
私も中学生の時にそれをやってみたいと思っていたけど、好きな人がいなかったのでこのイベントには縁がなかった。
 
でも、今年は違う。
高校に入ってから、私はSくんという好きな人ができた。
だから、今年はSくんにマフラーを贈るために、マフラーを編み始めていた。
 
雪のように真っ白なマフラー。
Sくんの純粋な性格にぴったりだ。
 
そして、初雪が降った日。
私はSくんにマフラーを渡した。
 
Sくんは喜んでくれて、それから毎日、私が編んだマフラーをしてくれていた。
Sくんとはいい雰囲気でこのまま付き合えるんじゃないかって思ってた。
 
でも、それは甘い考えだった。
 
その日は学校で居残りをしたせいで、帰るのが遅くなってしまった。
日は完全に沈んでいて、外は薄暗い。
そんな中、私は家へと急いでいた。
 
帰る途中、私はSくんを見かけた。
嬉しくなって、声をかけようと思ったけど、私はすぐにその場から逃げるようにして立ち去った。
 
それはSくんが私のマフラーではなく、違うマフラーをしていたからだ。
赤いマフラー。
私が渡したのは真逆の色。
きっと、他の誰かからもらったものなんだと思う。
 
明日、学校で聞いてみよう。
 
そう思っていたのに、次の日、先生から驚く発表があった。
それはSくんが昨日、誰かに殺されたというものだった。
 
正直、私は心の中で、ざまあみろと思ってしまった。
 
終わり。

■解説

語り部の話ではSは純粋な性格をしている。
そして、他の人からマフラーをもらった日に殺されるというのもタイミングが良すぎる。
もしかすると、Sはマフラーをするのを忘れて首狩り武者に首を切られ、首回りが真っ赤になり、それが赤いマフラーに見えたのかもしれない。

 

たらい回し

その新米医師は一人で深夜の当直をしていた。
いつもは子供が熱を出したとか、酔っ払いが運び込まれるくらいだったが、その日だけは違った。
 
高速道路で車が正面衝突をするという事故が起こったと連絡が来た。
運び込まれた患者は瀕死の重傷を負っていて、どう見ても手術が必要だった。
 
だが、新米医師は手術をしたことがなく、ましてやこんな大掛かりな手術をすることは無理だと判断する。
そして、近くの病院に運び込むように救急隊員に指示した。
 
しかし、その病院でも断られ、その次の病院でも受け入れ拒否をされた。
5件目も断られた新米医師は、諦めて自分で処置することにした。
 
少し時間がかかったが、新米医師は何事もなく処置を完了させる。
 
だが、その日からその新米医師は悩むようになり、医師を辞めてしまった。
 
終わり。

■解説

最初は大掛かりな手術は無理だと判断しているのに、何事もなく処理を完了させたということに違和感がある。
そして、新米医師は処置を完了させたのであって、手術をしたとは言っていない。
つまり、患者はたらい回しにされている間に亡くなり、新米医師は死亡診断の処置をしたということになる。
助けられなかった患者のことで気に病み、医師を辞めてしまったのである。

 

寄生虫

学者はあるとき、新種の寄生虫を見つけた。
その寄生虫は突然変異による、偶然誕生したもので再び同じ寄生虫が生まれることはない。
 
また、学者はその寄生虫には猛毒があり、宿主を殺してしまうが、その毒を利用すれば肥満を改善する薬が作れることも発見した。
 
この寄生虫を利用すれば大金持ちになれる。
そう考えた学者は繁殖を試みる。
 
色々な動物に寄生させてみたが、繁殖することはなかった。
そして、学者が実験に使っていた寄生虫はすべて死んでしまい、学者は絶望する。
 
だが数年後。
この寄生虫は世界中で発見されるようになった。
 
終わり。

■解説

寄生虫は学者に寄生して、学者から世界中に広がった。
また、寄生虫は猛毒で宿主を殺してしまうので、世界中で多くの死人が出ることになる。