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【洒落怖】親友の紹介料

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私には小学校から付き合いのある、Sという友達がいる。
Sのことは親友だと思っているし、あっちからもたぶん、そう思ってもらえていると思う。

その関係は社会人になってからも続いていて、2週間に1回は会ってご飯を食べている。

学生の頃は二人でいることが楽しくて、よく恋バナをしてたけど、お互い彼氏を作ることはなかった。
今、考えてみると少し寂しい学生生活だったけど、Sと一緒に作った思い出は何事にも代えがたい良い思い出だったとも思う。

そんな私たちだけど、さすがにそろそろ彼氏が欲しいと言う話になった。
とはいえ、仕事で忙しくて、合コンに行く気力もない。
かといって、社内恋愛は正直、考えられない。

そんなことを言っているから、未だに彼氏ができないのかもしれないけど。

そんなときSが占いに行ってみないかと言ってきた。
なんでもすごく当たるという噂の占い師で、予約が半年先まで埋まっているらしい。

その占い師の予約がとれたから、一緒に行こうって言われたのだ。

私はあまり占いを信じてないけど、Sにどうしてもと頼まれ、付き合うことになった。

当日、その占いのお店に行ってみると、雑居ビルの一室で、実に簡素な部屋だった。
とても人気の占い師とは思えない。

ただ、Sは「そういう雰囲気に頼らない、本物の占い師なんだよ」と言っていた。
こういうのには詳しくないから、なんとも言えないけど、確かに予約で埋まっているなら、変に雰囲気づくりに力を入れなくてもいいのかもしれない。

まずはSが占いをしてもらう。
占い師は当たり障りのないこと言う。
よくありがちな抽象的なことばかりだった。

本当に人気なのかと疑いたくなる。

すると、占い師が私の方を見て、いきなり手を握ってきた。

「あなたは今、大きな運命の渦の前にいます」

そんなことを言ってきた。

私の運命がはっきりと見えるらしく、ぜひ、占わせて欲しいと言ってきたのだ。
すごく胡散臭くて、断ろうとしたときだった。

その占い師は私が小学5年生の時、木から落ちて、左肩に小さな傷があることを言い当てた。
もちろん、肩が出る服装じゃないから、占い師にはその傷は見えない。

私はSの方を見ると、Sは首を大きく横に振った。
別に私のことを前もって送っているわけではないということだ。
ということは、この占い師はピタリと当てたってことになる。

そして、その後はさらに私の好みや趣味、今の仕事のことや悩みまで当ててしまった。

私はもうびっくりして、いつの間にか占い師の言うことを食い入るように聞いていた。
その後、さらに占い師は、この後、どこか人が集まるようなところに行ったほうがいいと言った。
そこで素敵な出会いがあるらしい。

占い師の店を出た後、Sの勧めで、あるバーに行った。
Sの行きつけのお店みたいだ。

そこでSと飲んでいると、一人の男性が話しかけてきた。
なんか軽そうな、ホストっぽい男の人だった。

正直、私はこの手のタイプは苦手で、一緒に飲もうという誘いは断りたかった。
だけど、Sは乗り気で、勝手にOKしてしまったのだ。

それからは3人で飲むことになった。

男の人はしきりに私に話しかけてきたけれど、どうにも話は合わない。
それでも愛想笑いでやり過ごした。

店を出るとき、男の人が私の連絡先を聞いてきた。
私はやんわりと断ろうとしたけど、Sが勝手に教えてしまった。

男の人と別れたあと、Sに文句を言おうとしたら、逆に怒られた。
占い師が言っていた、素敵な出会いはあの人だって、Sは言う。
でも、私はそうとは思えなかった。

それからは頻繁にその男の人から連絡が来るようになった。
邪険にするのも悪いと思って返していたら、二人で会おうという流れになってしまった。

最初は短い時間にお茶をするくらいだったけど、それがドンドンと時間が伸びていく。

そして、いつの間にか私はその人と頻繁に会うことが当たり前になっていた。

Sからはその人と付き合うようになったんだってね、と言われた。
状況からして違うとも言えなくて、曖昧に濁してしまった。

そしたら、今度はその人が私の家に転がり込んできた。
悪い人じゃないのと押しが強いこともあり、私は追い出すことができなかった。

それから1ヵ月も経つと、今度はお金を貸してほしいと言い出し、それが続くとお小遣いという名目でお金を要求するようになった。
そしてついには暴力を振るわれるようになって、お金も強引に取り上げられるようになってしまった。

そのことをSに相談してみたけど、Sは「運命の人なんだから我慢しないと」と言って聞かない。
それで私は本当にあの人が運命の人なのか、確かめるためにもう一度Sに頼んで、あの占い師に占ってもらうことにした。

占い師に見てもらうと、前と同じように、今の私の状況をピタリと言い当てられた。
さらに「今は辛いけど、もう少し我慢すれば、絶対に幸せになれる」と言ってくれた。

だから、私は言われた通り、我慢することにした。
お金を要求されても、暴力を振るわれても、幸せになれることを信じて耐えた。

でも、要求はエスカレートしていき、あの人は今の仕事を辞めて、もっと稼げる夜の仕事をしろと言ってきた。
言うとおりにしようと思って、次の日に会社に辞表を出した。

すると同僚に呼ばれて事情を聞かれた。
私はもうわけがわからなくなってしまって、全部、同僚に打ち明けた。

同僚はすぐに色々と調べてくれた。

なんと、私が見てもらった占い師は人気どころか、そもそも存在すらしていなかった。
さらにあの男の方は、色々な女の人を囲って、お金を巻き上げることで有名な人だとわかった。

私はすごく混乱した。
何が起こっているのか、何を信じていいのかわからなかった。

同僚から、とにかくすぐにその男と別れた方がいいと言われ、私は家に向かった。
そしたら、家の前にあの男とSがいた。
あの男がSにお金を渡しているの見てしまった。

その後、私はあの男とSと縁を切った。

どうしてSが私を裏切ったのかはわからない。
親友だと思っていたのは私だけだったのだろう。

そして、私のことを助けてくれた同僚とは、別の会社に移ってからも交流は続いている。

本当の友達というのは意外なところにいるのかもしれない。

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