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学校の怪談といえば、何を思い浮かべる?
トイレの花子さん?
音楽室のピアノが勝手に鳴る?
踊り場の鏡?
どれもちょっと子供っぽいかな?
うちの高校は断然、桜の木の下の話だったんだ。
この桜はね、今じゃ信じられないかもしれないけど、咲かない桜って言われてたんだよ。
その理由は、この桜の木の下に、死体が埋まっているからって話だった。
桜はね、挿し木や接ぎ木でしか増やせないから、どの木も遺伝子が同じなんだ。
だから、一斉に咲くって話なのは知ってるかな?
つまり、桜は一斉に咲くか、まったく咲かないかの二択なんだ。
なのに、この桜だけ咲かなかった。
1本だけ。
それで出来たのが、この桜の下に死体が埋められていて、その呪いのせいで桜が咲かないってものだったんだと思う。
普通は、そんな話を聞いても、そうなんだとしか思わない。
でもね、中にはこの桜を咲かせたいって考える人がいたんだ。
彼女はとても変わった人でね。
オカルトとか、宇宙人とか、運命とか、そんな非科学的なことを信じてる人だった。
もちろん、周りからは変人って言われていてね。
彼女に関わろうとする人は皆無だった。
でも、彼女自身は別に気にしてなかった。
他人には興味がなかったのかもしれない。
僕はそんな彼女に惹かれたんだ。
その彼女がこの桜を咲かせたいって言ったから、僕は協力した。
彼女のためなら、何でもする、したいって、当時は思ってたんだ。
いや、それは今もかもしれない。
僕たちはまず、桜の木の下を掘ることから始めた。
死体が埋まっているなら、掘り出して供養すればいい。
そうすれば、呪いが解けて、この桜は咲くことができる。
そう考えたんだ。
毎日毎日、先生たちに見つからないように、少しずつ掘り返した。
これに半年くらいかけたかな。
でもね。
見つからなかった。
死体どころか、変わったもの何一つ出てこなかったんだ。
まあ、オカルトなんてそんなものなのかもしれない。
なぜなら、証明できないからこそ、オカルトなんだから。
でも、彼女は諦めなかった。
この桜を咲かせるにはどうすればいいのか。
必死に調べた。
もちろん、科学的じゃなく、オカルト的にだけどね。
魔術とか呪術とか、そういうのもたくさん調べたよ。
そういうことに全く興味がなかった僕でも、その辺の人には負けないくらいの知識になってた。
それで色々と調べるうちに、あることがわかったんだ。
答えは逆だったってことが。
つまり、死体が埋まっているから咲かないんじゃなくて、死体が埋まってないから咲かなかったんだ。
それなら、この桜を咲かせるにはどうしたらいいか。
答えは簡単。
死体を埋めればいい。
それで、今度は真逆のことを調べ始めたんだ。
人の殺し方、だね。
どうやったら苦しめずに確実に殺せるか。
そんなことを延々と2人で調べた。
それと、実際に行動に起こすための計画も立てた。
もし、殺して桜の下に死体を埋めて、桜が咲いたとしても、それを見る前に捕まってしまったら意味がないからね。
だから計画を実行しても、怪しまれない状況が必要だったんだ。
今考えると、呪いとかで殺す方向にならなかったのは不思議なんだけどね。
呪いで殺せれば、疑われることなんてあり得ないんだから。
でも、彼女はそれはしなかった。
それは、相手を苦しめたくなかったからかもしれない。
なんていうのは、僕の希望的観測なのかもしれないけど。
そして、計画は実行に移された。
計画は順調に進んだんだ。
殺して、その死体をこの桜の木の下に埋めた。
そして、その1年後。
結果はと言うと、見ればわかるよね?
この通り、ちゃんと桜は咲いたんだ。
他の、どの木よりも綺麗にね。
彼女はそれを見て、満足そうに笑ってた。
僕はそれを見て、とても満足だった。
彼女とはそれ以来、会ってない。
どこで何をしてるのかもわからない。
でも、僕はそれでいいと思ってる。
彼女の、あの顔を見れたんだから。
これで、僕の話は終わりだ。
どう?
面白かったかな?
久しぶりにこの話ができて、嬉しかったよ。
もしよかったらまた話をしにきてくれないかな?
ありがとう。
それじゃ、これから3年間、よろしくね。

