〈前の話へ:寝言〉 〈次の話へ:異世界に行けるはずのエレベータ〉
本編
今の部屋は駅とスーパーが近くて、家賃も安くてそこそこ広い。
だから、引っ越してきた当初はかなり満足していた。
でも、正直、今ではここに決めたことを後悔してるくらいだ。
その理由は隣の騒音。
一番端の部屋なんだけど、隣の部屋がうるさい。
深夜になると話し声やらバタバタと走り回る音とか、とにかく騒音が激しい。
耳栓をしていても起きるくらいだ。
よく周りの人たちは我慢できるなと思う。
それで、あまりにもイライラしたから、思い切り壁ドンをしてやった。
そしたら数秒は静かになって、また騒音を出し始める。
だから、こっちも何度も何度も壁ドンをしてやる。
こうなったら、どっちが先に引っ越すか勝負だ。
なんて、少し意地になり始めたときだった。
休日に部屋で寝転がったら、急にチャイムが鳴った。
出てみると、若い女性だった。
そして、彼女はこう言った。
「隣に引っ越してきました。これからよろしくお願いします」
終わり。
■解説
隣に引っ越してきたということは、隣は空き部屋だったということである。
では、毎晩、語り部を悩ませていた騒音を出していたのはなんだったのだろうか?

