サイトアイコン 意味が分かると怖い話【解説付き】

糸電話

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本編

日曜日。
部屋で寝ていたら、バタバタと甥っ子が部屋に入ってきた。

4歳の甥っ子は私が好きみたいで、家に来たときはずっと私について回る。
それがなんとも可愛い。

とりあえず起きて着替える。

なにして遊ぼうかと思っていたら、甥っ子が糸電話をしたいと言い出した。
なんでも幼稚園で、先生に教えてもらったらしい。

糸電話ってどうやってやるのと聞いてみた。
紙コップを2つ用意して、その紙コップの底に糸をつけるだけみたいだ。

よくわからないので、甥っ子の言う通りに紙コップを用意して糸をつける。

そして部屋の両端に離れる。

甥っ子が持っているコップにぼそぼそと何かを話している。
そしたら、私の持っている紙コップから甥っ子の声が聞こえた。

おお、凄い。
なんか、感動した。

甥っ子も凄く楽しそうで、もっとやりたいと言う。
私もテンションが上がってきて、もっと遠い距離でやってみようという話になった。

戸棚から糸を引っ張り出して、紙コップにつける。
これなら一階からでも届きそうだ。

甥っ子はさっそく階段を降りて一階のリビングに降りていく。

私はコップを耳に当てて待つ。
するとボソボソと声が聞こえた。

聞こえた。
本当に凄い。

これがあれば、スマホの代わりになるんじゃないだろうか。

まあ、そんなに長い糸を用意するのは大変そうだけど。

終わり。

■解説

糸電話の糸はピンと張っているかつ、糸に何か物が当たっていると声は聞こえない。
甥っ子は階段を降りて一階にいる状態で、糸の条件を満たせるとは思えない。
つまり、聞こえた声は甥っ子のものじゃない可能性が高い。

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