本編
その公園は俺のお気に入りだった。
けど、1人の浮浪者が公園に住み着き始めた。
そのせいで、俺はもちろん、誰も公園を使わなくなった。
本人は気に入ったようで、公園から出ていこうとしない。
本当に目障りだ。
臭いも酷いし、なにより公園を独占しているのがムカつく。
だから、俺はある日の夜に、その浮浪者を襲って、近くの森に埋めた。
浮浪者が1人消えたとしても、誰も気にしないだろう。
これでまた自由に公園を使える。
そう思ってベンチで寝ていると、見たこともない浮浪者が俺の前に立った。
そして、持っていたバットを俺の頭に振り下ろす。
意識が暗くなる中、そいつが「これで公園は俺のものだ」という声が聞こえた。
終わり。
■解説
語り部も浮浪者で、浮浪者同士で公園を奪い合っていた。