本編
少女は数年前、あるCMを見たことで、そのCMに出ていたタレントに恐怖を覚えるようになった。
「痴漢は犯罪だ」という警鐘を鳴らすためのCMだったが、出ていたタレントが不気味で嫌悪感を覚えた。
それは少女にとって、トラウマとさえ言えるほどで、電車に乗ろうとするとそのタレントの顔が浮かび、電車に乗れなくなるほどだ。
そのCMは世間でも物議をかもし、結局はすぐに放送を停止することになる。
しかし、そのCMが放送されなくはなったが、そのタレントは人気だったためテレビはもちろん、SNSでもよく話題になるほどだった。
その顔を見るたびに、少女は恐怖で体が動かなくなる。
当然、生活にも支障が出る。
そこで少女は精神科を受診するが、どの医師も少女のトラウマを克服させることはできなかった。
医師たちはテレビやSNSを見なければいいと簡単に言うが、見なければそれはそれで生活に支障がでるのだ。
少女はノイローゼ気味になり、部屋に閉じこもるようになる。
それでも、どうしてもあのタレントが目に入って来るのだ。
心身ともにボロボロになった少女の元にある医師がやってくる。
その医師は少女にタレントのことを消す、ある方法を教えた。
少女はその方法を実行した。
すると、少女はトラウマを克服することができた。
そして、そのタレントを見ることもなくなったのだった。
終わり。
■解説
タレントを消す方法。
それはタレントを殺すことだった。
タレントがこの世にいなくなったことで、トラウマを克服でき、そのタレントもテレビやSNSで見ることがなくなったのである。