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学校のイジメ

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本編

僕は学校でイジメられている。

イジメって言っても、自殺したくなるようなそんな酷いイジメじゃない。
もしかしたら、こんなことをイジメだなんて言ったら、笑われるかもしれない。
 
昼休みにちょっとパシリをさせられたり、掃除当番を押し付けられたりするくらいだ。
 
僕をターゲットにしているのは、Sくん、Tくん、Kくんの仲良し3人組だ。
いつも3人、一緒に行動している。
 
今日も、3人が化学準備室の掃除当番だったのに、僕1人に押し付けて、3人は帰ってしまった。
 
本当は僕も早く帰ってゲームの続きをしたかったけど、もし、断ってイジメが酷くなったら目も当てられない。
掃除当番くらいは二つ返事で引き受けないと。
 
1人で掃除していると化学の先生が戻って来て、僕1人で掃除していることに驚いていた。
その後は先生も手伝ってくれて、ジュースまで奢って貰えた。
 
これはラッキーだった。
 
たまにはこういうことがあっても罰は当たらないよね。
 
なんて思っていたら次の日、僕は事件に巻き込まれてしまった。
というのも、昨日、Sくんが陸橋の階段から落ちて死んでしまったのだという。
 
そして、僕がその事件の容疑者にされてしまったのだ。
 
教室のみんなは、普段、僕がSくんたちからイジメられていることを知ってたし、そのとき、僕を見たなんていう証言が出てきたからだ。
そして、僕がそのとき化学準備室で掃除していたことを教室のみんなは知らないから、僕にはアリバイがないということになった。
 
それで、取り調べを受けることになったんだけど、化学の先生が僕のアリバイを証言してくれたことで、なんとか僕の容疑は晴れたようだ。
 
イジメられた上に、犯人扱いにされるなんて、本当についてない。
お父さんやお母さんに相談して、転校した方がいいんだろうか。
 
終わり。

■解説

事件の日に、語り部を見たという証言は嘘になる。
では、誰がそんな嘘を言ったのか。
それは、語り部が1人で化学準備室を掃除していることでアリバイがないことを知っている人間になる。
そして、それを知っているのはSとTとKである。
では、なぜTとKがそんな嘘を付いたのか。
それはその2人が犯人で、語り部に罪を擦り付けようとしたからになる。
仲良し3人組と思われていたが、実はTとKはSを殺したいほど憎んでいたのである。

 

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