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【意味が分かると怖い話】呪いのビデオ

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■本編

昔、凄く流行った呪いのビデオ。

 

見た人は7日以内に、他の人に見せないと死ぬ、みたいなやつだ。

正直、俺は今の時代、そんなものがあるとは思ってもみなかった。

だって、ビデオの時代の話だから。

今なんて、ビデオデッキを手に入れることすら困難な時代だぞ。

信じろって方が無理な話。

 

だから、つい、ホラー動画を見るみたいな感覚で見てしまった。

というより、1万円を渡されて見て欲しいと、友人に頼まれたからだ。

今回の呪いのビデオは、7日以内に新しく3人に見せないといけないらしい。

今、地元で流行っていて、友人も友達に頼まれて、見てしまったのだという。

 

ビデオの内容は別に大したものじゃなかった。

いくつかのシーンが切り取られて、流されている感じで、面白くもなんともなかった。

もう少し凝ったのを作れと思ったほどだ。

 

次の日。

ニュースの中で、地元の人間が5人、同時期に不審死したことが取り上げられていた。

しかも、その5人は、当時はバラバラの場所にいたそうだ。

 

もしかしたら、呪いのビデオかもしれない。

俺は急に怖くなり、とりあえずAに呪いのビデオを見せた。

 

あと2人。

 

だが、呪いのビデオの噂と実際に5人が亡くなったことで、みんなが警戒を始めて、見て欲しいと言っても断られてしまう。

 

そうこうしている内に3日が過ぎる。

そして、またも不審死が出た。

 

俺はもう怖くなって、夜も眠れなくなった。

こうなったら、なりふり構っていられない。

 

俺は貯金を全額降ろして、10万を用意し、クラスのギャルっぽいCさんにビデオを見て貰った。

パパ活もやっている子で、10万を渡せば、すぐに見て貰えた。

 

これであと1人。

 

だが、俺はここで致命的なことに気づく。

貯金を全て使ってしまったので、同じ手は使えないのだ。

 

ヤバい。

 

そして、また3日が経った。

期日が迫っている。

 

そんな中、Aが不審死したという噂が耳に入った。

 

やっぱり、呪いのビデオは本物だったんだ。

俺はどうしようもなく、追い詰められた。

 

いやだ。死にたくない。

 

俺は5歳になる弟に呪いのビデオを見せた。

 

何とか間に合った。

弟のことはまた明日から考えよう。

 

俺は何日かぶりに、安心して眠りについた。

 

終わり。

■解説

Aは、語り部よりも「後」に見たはずなので、語り部よりも「前」に死ぬのはおかしい。

ということは、Aは語り部よりも「前」に呪いのビデオを見たことになる。

そうなると、Aは既にビデオを見ているので、「新しく3人に見せないとならない」という条件に当てはまらない。

語り部は眠りについたが、再び、目覚めることは無い。

 

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