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【意味が分かると怖い話】VHS

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本編

VHSって知ってる?
ビデオテープって言ったほうがわかりやすいかな?
え? それでもわからない?

まあ、今は動画とか、そのままダウンロードとかするから、あんまり録画ってしないよね。
30年前とかは、テレビ番組とかをビデオってやつに録画するっていうのが主流だったんだ。

録画するときは、今と違って、見たい番組の時間を調べて、予約機能を使って録画してたんだよね。
時間を間違えたり、チャンネルを間違えたりして、うまく録画できなかったっていうのもあるあるだったんだよ。
あとは、野球中継が伸びたせいで、番組の時間がズレて、最後まで録画できてなかったりとかね。

それと、注意しないといけないのは時間だ。
普通のビデオテープは2時間までしか録画できない。
ビデオの中には3倍とか5倍モードにすることもできるという機能もあるんだけどね。
ただ、その場合はもちろん、画質が落ちる。
気に入った番組の場合は画質をきれいにするために普通のモードで録画するのが当たり前だった。

すごく懐かしい。
不便だったけど、それがまた、今ではいい思い出になってたりする。

ただ、今はそもそも、そのビデオテープを再生するビデオデッキ自体を探すのが大変だ。
もう電気屋に行っても、売ってない。
当たり前だけど。

でも、ある連休で帰省したときに、実家の押入れを整理してたら、奥からビデオデッキが出てきた。
見つけた瞬間、結構、テンション上がったよ。
そうなれば、当然、動くかどうか試してみたくなる。

けど、そもそもビデオテープがない。
たぶん、親が処分しちゃったんだろう。
なんでデッキのほうをしまい込んでたかはわからないけど。

そこで、裏町にあるレンタルショップに行ってみることにした。
学生の頃は、よくそこでビデオテープを借りてたものだ。

半分、閉店してるだろうと諦めてたんだけど、なんとまだやってた。
店の中に入ってみると、当時の記憶が鮮明に蘇ってきた。

ほとんどDVDとかブルーレイになってたけど、奥のほうにちゃんとビデオテープもあった。
それでどれにしようかと、パッケージを見てたら、なんか真っ黒いパッケージがある。
その中に、ちゃんとビデオテープも入ってたけど、ラベルには何も入ってない。
テープの量を見る限り、2時間のものだから、たぶん、映画か何か入っているんだろうと思った。

店主のおじさんに、何が入っているのか聞いてみたけど、わからないと言われた。
逆に何が入っているのか気になったから、そのビデオを借りることにした。

さっそく、帰ってそのビデオをデッキに入れて再生する。
すると、画質は荒いが、なんとも懐かしい芸人が登場する。

録画されていたのは、映画じゃなく、あるテレビ番組だ。
昔からやってる、あの、1日ずっとやる、愛で地球を救うやつ。

ビデオに録画されていることから、かなり前の時代のものだとわかる。
出演している芸能人を見る限り、たぶん、俺が中学生の頃のものだろう。

それだけに、懐かしさが半端ない。

思わず、食い入るように見てしまった。
せっかく帰省したのに、1日部屋にこもっていることに、親は文句を言ってきたけど、面白くってたまらない。

結局、全部見てしまった。

徹夜なんて、学生の時くらいだろうか。
そもそも、この番組を最初から最後まで見たのなんて初めてかもしれない。

俺は満足して、ビデオを返却し、店主のおじさんにあの番組が録画されてたよと言った。

そしたら、おじさんは顔をしかめて、「そんなわけない」と言った。

終わり。

■解説

語り部はビデオテープを借りるとき、『テープの量を見る限り、2時間のもの』と言っている。
そして、画像が荒いということは倍のモードで録画されていることがわかる。
だが、モードは最大で5倍までである。
つまり、録画は最大で10時間までしか撮れないはず。
そのため、店主も「そんなわけない」と言っている。
語り部がレンタルしたビデオテープは、いったい、なんなんだろうか?

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