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【洒落怖】痛みのない食事

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昨日の火事の事件のことは知ってる?
そうそう。それそれ。町外れのやつ。
あれって放火って言われてるんだけど、警察とかが犯人を調べたりするのかな?

いや、だってあの家、空き家で火事でケガ人も出なかったんだし。
というより、あんなの廃墟じゃん?
逆に燃えてよかったってことにならないのかな?

あー、ごめんごめん。
俺の話だったね。

別に隠してるわけじゃないんだ。
ただ、話しても信じてもらえないだろうなって思っただけ。

まあ、信じるか信じないかはあなた次第です、ってことで話しておこうかな。

あれは1ヵ月前のことだったんだけど……。
いや、2ヵ月かな?
もっと前かも。
まあ、いいや。

とにかく、俺たちは夏といえば肝試しってことで心霊スポットに行った。

そこは別に有名ってわけじゃなくて、知る人ぞ知るって感じの、マイナーな場所。
しかもさ、夜だとさすがに怖いってことで、昼間に行ったんだ。
その時点で肝試しになってないし、そもそも俺たちの中にホラーとかオカルトが好きなやつもいない。
だから、やめておけばよかったんだ。

なんてことは終わってみた後だから言えることなんだと思う。
高校生なんてノリで生きてるもんだから、そのときは行かなくても、どこかでノリで行ってたかもしれない。
ただ、早いか遅いかの違いかも。

結局、巻き込まれる運命だったかもしれない。

その心霊スポットっていうのが、木造の一軒家なんだけど、スゲーボロ家でさ、ドアとかも壊れてて開きっぱなしだった。
もし、ドアが閉まってても、窓とか全部割れてたから、そっから入れたんだけどね。

そこは二階とかもなくて、部屋も3つくらいしかなかったし、狭かった。
見て回るのに10分もかからないんじゃないかな。
だから、有名にならなかったんだと思う。

でも、一応、ここにも心霊スポットって言われる原因はある。
それはこの家に「ミイラ」があるって話。

何のミイラかはわかんない。
たぶん、この家に住んでた人のじゃない?
詳しくは知らない。
興味なかったから。

で、俺たちは家に入って10分くらい見て回って、何もないから帰ろうかってなった。

見つかるとは思ってなかった。
あんな狭い家で、俺たちに見つけられるなら、とっくに誰かが見つけてるはずだからさ。

正直、ホッとしたよ。
見つからなくて。

……いや、どうだろ。
もしかしたら、面白くないって思ったかもしれない。
思い出せないや。
別にいいでしょ? あまり関係ないし。

帰ろうってなって、ドアに向かおうとしたとき、いきなりKが「あっ!」って言ったんだ。
みんな、振り返ったら、Kはしゃがんで、床を見てた。

「これ、扉じゃない?」

指をさしたところが、なんか切れ目みたいなのが入ってた。
それで、よくよく調べてみたら取っ手みたいなのも見つけた。

それはKの予想通り、扉だった。
地下に続く、隠し扉っていうのかな?

なんで俺たちが見つけられたのかっていうのは、たぶん昼間に行ったから。
夜に行ってたら、絶対、見つけられなかったと思うよ。

扉を見つけたときはすごい盛り上がった。
そりゃ、ワクワクしないほうが無理だよ。
高校生だし。

もちろん、扉を開けた。
そしたら、木の階段があったからみんなで降りた。
ギシギシいってさ、今にも壊れるんじゃないかって思ったよ。

で、降りたら、すごい小さい部屋だった。
なんもない部屋で、真ん中にベッドだけ置いてあったんだ。

でさ、そこにあったんだよね。

ミイラが。

全員、フリーズ。
予想外のものを見たら、頭真っ白になるってホントだね。
ただただ、みんなで、ミイラを見てた。

5分くらい見てた時だったかな。
Tが思い出したように悲鳴を上げて、階段を登って行ったんだ。
それにつられて、全員、地下から出た。

それで俺たちは扉を閉めて、このことは秘密にしようってことになった。

今考えたら、なんで通報しなかったんだろうって思う。
別に、俺たちがミイラにしたわけじゃないのに。
というか、こういうときは通報しないとダメなんだよね?

でも、そのときの俺たちはなんか、悪いことをしたって感じだった。
だから、このことはもう、とにかく秘密にしようって。
学校はもちろん、みんなで遊ぶときでもこの話をするのは禁止ってことにした。

その日の夜は、妙に興奮して、あんまり眠れなかった。
でも、次の日は普通に寝れた。

それでさ。
その次の日の夜に気づいたんだ。
右足のふくらはぎがえぐれてるの。

それがさ、全然、痛くないし、血も出てないんだ。
だって、それまで気づかなかったくらいだから。

とにかく、ふくらはぎが、なんか、かじられたような感じでえぐれてた。

そりゃびっくりするよ。
びっくりしない方がおかしいって。

で、さすがに母親に言ったよ。
病院に連れて行ってくれって。

そしたら、母親は俺の足を見て、別に何ともないって言うんだ。
たぶん、母親の目には普通に見えてるんだろうね。
っていうより、俺以外には普通に見えるんじゃないかな。

だから、俺は病院を諦めた。
だって、俺だけだと金ないし、痛くないし、気にしなければいいだけかなって、思って。

でもさ、後から気づいたんだけど、痛くはないんだけど、えぐれたところは、なんか力が入りづらいんだよね。
動かせないわけじゃない。
ただ、なんか動かしづらいだけ。
右足だから不便ちゃ、不便なんだけどさ。

母親は無理でも、友達には相談しようかなとは思ったよ。
たぶん、っていうより、絶対、これ、ミイラの呪いだろうし。

で、話そうとしたら、友達全員が、その話はしない約束だろって感じで言うんだよ。
そこで俺は思ったんだ。
これは俺にしか起きてないんだって。

なんだよ、そりゃって思った。
ふざけんなって。

そしたら、今度は右腕の力こぶのところがえぐれているのに気付いた。
足と同じようにかまれたような感じで。

それからは毎日のように体のどこかしらがかじられるようになった。

ほかの人から見たら普通かもしれないけどさ、これでも結構、やられてるんだ。
右目はもう見えてないし、頭も半分くらいかじられてる。

よく生きてるなって感じだよ。
だから、最近はもう鏡は見ないようにしてる。

そりゃさ、さすがの俺も、これはやばいって思った。
だから、燃やした。

ミイラを。
家ごと。
木造って、すごい燃えやすいんだね。
ちょっと、驚いた。

でも、これでもう大丈夫って思った。
もうかじられることはないって。

でもさ。
ダメだった。

今日の朝、左の脇腹をかじられてた。

終わりじゃなかったんだ。
まだ続くってこと。

だからさ。
もう、いいやって思って。
もうどうでもいいやってなってるんだ。

だけどさ、不思議と恐怖感はないんだよね。
なんでだろ?

まあ、どうでもいいか。

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